米 Yahoo! が"fire eagle"なるサービスの非公開ベータを開始したとのことで、いくつか紹介記事が上がっています。例えば GigaOM の記事:
■ First Details, Screenshots of the Fire Eagle Launch (GigaOM)
なんだか FireFox を彷彿とさせるカッコイイ名前ですが、ブラウザではありません。一言で言えば、「プライバシーを守りながら位置情報を活用できるようにするサービス」といったところでしょうか。
イメージをよく表しているのが上の図でしょう。fire eagle には位置情報のインプットとアウトプット、2種類のAPIが用意されていて、fire eagle の内部にユーザーの位置情報が管理されます。で、位置情報を活用するサービス(近くにあるレストランを検索してくれるとか)に直接自分のデータを渡すのではなく、fire eagle を介することで、プライバシーが守られるという仕組み。GigaOM の記事では「ロケーション・ブローカー」という上手い表現がされています。
既に fire eagle を活用するサイトの第一弾として、DOPPLR というサービスが決まっているとのこと。DOPPLR については Joi Ito's Web でも紹介されているのですが、旅行計画を友人や仕事仲間と共有できるサービスのようです。fire eagle (によってもたらされる位置情報)をどう活用するか、詳しい解説はなかったのですが、現在地の近くに旅行中の友人がいるかどうかを確認する――なんてことが可能になるのかもしれません。
ということで、当然ながら「fire eagle の位置情報を活用するサービス」が増えないと話にならないので、現在はアカウントがあっても位置情報をアップデートするくらいしか使えない、とのこと(その位置情報取得にも、多少問題が発生しているようです)。また位置情報をどの程度プライバシーと捉え、企業に渡すことを不安に感じる人がどれくらい存在しているのか、という点もポイントですね。サードパーティーによるサービス開発が進まない、この種のサービスの存在意義を感じる人が少ない、などの理由で文字通り「火が消えてしまう」可能性も……?
ただ僕は位置情報を取得するアプリケーションを作ったことがないのでよく分かりませんが、fire eagle がミドルウェア的な存在になって、位置情報を活用するサービスの開発が容易になるという可能性もあるのでしょうか?であれば、位置情報取得は fire eagle 経由で、というサービスが増えてくるのかもしれません。とりあえずユニークな存在であることは確かなので、今後の発展に注目する価値はあるかも。
< 追記 >
TechCrunch の記事によれば、位置情報を表示するブログパーツ(バッジ)や、Facebook 用アプリの開発なども計画されているようです。とりあえずそれくらいの機能はないとね。
■ Yahoo’s “Twitter For Location” Goes Into Private Beta With Near Zero Functionality (TechCrunch)
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