ITを社会問題のPRに利用する。様々な例がありますが、ちょっと前にもこんな話をご紹介していました:
ホームレスの姿を壁に投影することで、問題が存在するということ、そして人々の関与で問題は解決し得るのだということを示そうという試みでした。今回の事例も、これと同じ発想だと考えられるかもしれません:
■ Augmented Reality Billboard shows us our ignorance (Coolest Gadgets)
AR(拡張現実)技術と大型スクリーンを組み合わせ、社会問題に目を向けてもらおうというアイデア。オランダのアムステルダムとロッテルダムで行われたものだそうですが、同国では最近、公共サービスの職員が暴力を受けるという問題が起きているそうです。そこで「事件現場に駆けつけた救急隊員が暴力を受ける」というシーンを演技で再現・撮影し、リアルタイムの街角映像に合成、大型スクリーンに投影する……という試みがなされたとのこと。
とゴタゴタ説明するより、映像を見て頂いた方が早いでしょう:
ということで、実際には目の前では何の事件も起きていないわけですが、目の前の風景をリアルタイムで写しているはずの大型スクリーン内では事件が起きている->通行人が驚いて興味を向ける->これはARだけど、実際にあなたが気づいていないだけで問題は起きているのですよ……と悟らせる趣向なわけですね。また問題に気づかせただけではダメなので、実際にこのような場面に遭遇した際の4つのアドバイスも、タネ明かしと同時に表示させたそうです。
現実には存在しないものを上書きするのではなく、現実に存在するものを強調して表示する。そんな機能も、ARの活用法として研究が進んでいくのかもしれません。
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