ブログは新しいコミュニケーションツールとして、その利用方法が注目されているだけでなく、それによって表現された意見の集合体--Blogosphere(ブログ圏/ブログ界といったニュアンス)--を利用する方法も研究されてきています。
以前からご紹介しているBlogWatcherやKizasi、BlogPulseなどのサービスはその代表例で、ブログ界である話題がどのように語られているか、様々な角度から把握することができます。こうしたツールをブランド調査に使う方法について、面白い提案がありました。
Mind The Conversation Gap (Micro Persuasion)
Micro Persuasionはこのブログでも時々紹介していますが、著者のSteve Rubel氏はマーケティング・ストラテジストとして15年の経歴を持つ人物。"Conversation Gap"は彼が考え出したコンセプトで、以下のように解説されています:
The concept is simple, yet it makes an important point. I try to show the communication/brand manager their share of the online conversation. I talk about the gap that exists between the number of conversations that are just about their category and the ones that are about their brand AND the category. This illustrates the gap they can narrow by getting more involved in the dialogue by having a blog. Here's how you can tap into this.
あるカテゴリについて書かれたブログ記事の中で、特定のブランドに対する言及があった記事の合計と、それ以外の記事の合計の差--それが"Conversation Gap"だということです。
百聞は一見にしかず。記事中でも使われていたIceRocketというサービスを利用して、「ハイブリッド車」と「トヨタ」の関係を調べてみましょう。
上の画像がその結果(クリックで拡大)。青線が「ハイブリッド車」についてのブログ記事(ただしトヨタに言及が無いもの)の合計数、赤線が「ハイブリッド車」と「トヨタ」の両方のキーワードを含むブログ記事合計数です(過去2ヶ月間)。これを見ると、ハイブリッド車について書かれたブログのうち、およそ5件に1件はトヨタについて何らかのコメントがあったということになります。
これだけでは何とも言えないので、上記の検索を「ホンダ」に換えてみましょう。下の画像がその結果です(クリックで拡大):
若干ですが、トヨタの方が「ハイブリッド車」の話題に登場する傾向が強いという結果になっています。蛇足ですが、「ハイブリッド車」というキーワード全てを含むブログ記事数の推移と、「ハイブリッド車+トヨタ」「ハイブリッド車+ホンダ」それぞれのブログ記事の推移、全てをプロットしたグラフはこうなります(クリックで拡大):
これまで「ある話題に関するブログ記事数の推移を追う」という分析はありましたが、今回のアイデアはおなじ技術を使いながら、それを一歩進めたものですね。上記の例ではあまり明確な差が出ない例となってしまいましたが、ある製品カテゴリと自社ブランドの関連性や、ある話題と自社製品の関連性など、様々な利用方法があるのではないでしょうか。今回のアイデアに止まらず、今後Blogosphereを分析する手法は、ますます進化して行くと思います。
ちなみに上記の調査を簡単に行うフォームが、他のブログで公開されていました。以下の記事をご参照下さい。
Put the Conversation Gap code on your blog (Marketing Technology)
ついでにこの記事で紹介されているスクリプトを貼り付けると、こんな感じになります:
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