SNSの先駆けとなりながら、最近は衰えを見せていたFriendsterが、ついに買収先を探し始めたそうです:
Is Friendster up for sale? (CNET News.com)
正式なコメントは出ていないものの、記事によれば5000万~1億ドル周辺の金額で買収先を探しているとのこと。かつてGoogleからの買収提案を断ったと伝えられるFriendsterですが(関連記事:SEMリサーチ「米Friendster、Googleからの買収提案を拒否」)、今回は買収しようという企業は現れるのでしょうか。
CNETの記事では、Friendsterが後発のMySpaceにシェアを奪われていたことが指摘されています。Alexaで両サイトのトラフィックを見てみると、その勢いの差が明確に分かります(クリックで拡大):
これを見ると、今年に入ってから急速にMySpaceが勢いを伸ばしたことが分かります(2004年末にMySpaceのアクセスが突発的に増加していますが、この原因についてはちょっと調べることができませんでした)。
今年3月にはNBCからせっかく引き抜いたScott SassaをCEOの座から降ろし(関連記事:SiliconBeat "Things hitting the fan at Friendster")、10月にはアクセスを増やそうとしてスパムメールまがいの行動を取ってしまい、逆にユーザーの反感を買うという事件(関連記事:CNET News "Friendster overture not endearing to all")まで起こしてしまったFriendster。これを見ると、何かクリエイティブなことをしようという社内環境ではないのかもしれませんね。
しかしMySpaceへのアクセス増加はすごい勢いですね。2005年前後のFriendster、MySpace両社の状況をケーススタディにしたらさぞかし面白いことでしょう。そこには打倒Mixi、GREEの秘密が隠されているかも?
Technorati tags: friendster, myspace, sns
追記:
ただMySpaceも安穏としてはいられないようです。さらに後発のSNSが、MySpaceの座を脅かそうと虎視眈々と狙っています。例えばこんなサービス:
A Profile of Tagworld (TechCrunch)
アクセス数はまだまだお話にならないぐらい小さいですが、MySpaceも機能追加を怠ると、もしかしたら・・・ということがあるのかも。また中を見てみると分かりますが、こちのユーザー層もTeenagerがほとんどです。MySpaceと同じようにティーンエイジ層を取り込んで、そこを足がかりに勢力を拡大、という戦略を描いているのかもしれません。
追記2:
CNET Newsの記事が日本語訳されていましたので、リンクしておきます。
米SNSのフレンドスター、身売り先探しを銀行に依頼(CNet Japan)
追記3:
Nicholas Carrが自身のブログ"Rough Type"の中で、MySpaceの人気も長くは続かないだろうと予想しています。
The MySpace (bottle) rocket (Rough Type)
彼のポイントは2つ。
- 若者は飽きやすい。しかも流行に敏感な層は、ポピュラーになったサービスからは離れていくだろう。
- ブログを投稿したり、写真をアップロードすることによって、他のサービスに移るスイッチング・コストは確かに高くなる。しかしこういったサイトで楽しいのは自分のページを作り上げて、他人のページを巡ることであり、それを一巡してしまうとあとは飽きてしまう--そして別のサービスで同じ事を繰り返すのではないか。
なるほど、人々が何を求めてコミュニティ・サイトを利用するのか、もっと詳しく調査する余地があるようですね。
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