先週からZDNetでRichard MacManusが騒いでいた「WEBベースのMicrosoft Office」ですが(関連記事:ZDNet "More on a Web-based Microsoft Office")、日本語でもフォロー記事が出てきました。
ゲイツ氏とオジー氏、MS初のホステッドサービスを発表へ(ITmedia)
ホステッドサービス自体は規定路線だったわけですが、人々の関心はやはり「これがWEBベースOfficeにつながる動きなのか?」という点。そしてそれが実現したとして、企業でも使われるようになるのか?ということでしょう。
「ブロードバンドが普遍化すれば、Web機能が充実する。セキュリティと信頼性の問題は一段落した。最も重要なのは、企業がWebベースのオフィスに移行する準備ができるのはいつかということだ。5年先、10年先、あるいはもっと先かもしれない」
とMacManus氏がコメントしているわけですが、多くの企業にとっては「セキュリティと信頼性」はいまだに問題でしょう。ASPサービスのセキュリティという問題について、サイボウズの安田さんが興味深い記事を書かれています:
ASP のメリットとデメリット(経営企画室 調査日報)
同じセキュリティという面でも、「他人にデータを預けるのは不安だ」「他人にデータを預けておけば安心だ」というまったく正反対の評価が出てくるということです。こうした経験から、安田さんはこう結論づけられています。
このような相反する意見を聞いて私が至った結論は「ASP を導入するかどうかはそれを評価する人の"好み"や"意識"の影響も大きい」ということでした。
だとすると、今回のMicrosoftの動きによって、大きく状況が変わる可能性があります。「あのMicrosoftが提供するサービスなのだから、セキュリティは大丈夫だろう」--そういった信頼(悪く言えば根拠のないイメージ)から、企業におけるWEBベース基幹アプリケーションの導入が進むかもしれません。もっともMicrosoft製品だからこそ、セキュリティを心配する人も多そうですが。
いずれにせよ今回のMicrosoftの動きが成功するか否か、そしてWEB版Officeへとつながっていくかどうかは、技術面ではなく人々の意識によって大きく左右されるのかもしれません。
追記:
MicrosoftのASP戦略については、同じくサイボウズ安田さんが的確な記事をまとめられています。ご覧下さい:
マイクロソフトのASP戦略(経営企画室 調査日報)
また、Richard MacManusが同じくZDNetで新しい記事を書いています。
Microsoft announcement Tuesday may be bigger news than expected (ZDNet)
「CRMホスティング以上の発表になるというウワサがある」とのこと。またSunからもWEBベースソフトウェアに関する発表があるかも、とのことですか。そろそろ米国時間でも火曜日になりますし、どんな発表が出てくるか。
コメント