もう1つ、ギャップを埋めるビジネスのニュースを:
健診データ標準化サービス--単位・基準統一 一人50円程度で(日経産業新聞、2005年11月24日朝刊第1面)
こちらも残念ながらWEB上で記事が見つからなかったので、少し引用します:
NTTデータは来年4月から企業や健診施設などを対象に、健診データを標準化する受託サービスを始める。施設ごとにばらつきがあるデータの単位や基準値を統一したデータに変換するシステムを開発した。
(中略)
サービス名は「健診クリアリングサービス」。NTTデータが電子化した匿名の健診データの提供を受け、自前の変換プログラムで、電子カルテにも連動できる医療情報標準化の国際規格「HL7」に準拠した形式に変換。同社のデータセンターで一元管理する。
このサービスは「複数の事業所をもつ企業が、社員の健康情報を統一基準で管理できるようにする」という使い方を想定しているそうですが、「転職してきた社員が、過去の健診データと現在の会社での健診データを統合し、比較できるようにする」というサービスにも発展できると思います。僕も何度か転職しているので分かるのですが、一度職場を変えると、当然ですが過去のデータは参照できなくなります。「以前の健診データを自分で保管しておけばいい」という話ですが、年に一度のことですから、どこにしまっておいたか忘れてしまうものです。過去の健診データも引き連れて新しい会社に転職できたら、きっと便利ですよね。
なぜこのニュースに目が留まったかというと、最近乱立しているSNSにも、この「標準化」というアイデアが応用できるのではと思ったからです。SNSを始める前には、自分の個人情報や好み・趣味の情報、写真など、さまざまな登録作業が必要になります。他のSNSを始める時に、以前のSNSで使っていた情報をそのまま流用することができたら、作業はぐっと楽になるでしょう。また過去に書いた日記やレビュー記事まで、新しいSNSに引越しすることができたら。あるいは今後、企業内でもSNSの活用が進むでしょうから、新しい会社で個人プロフィールを登録する際にも役立つと思います。
新しくSNSを開設する企業の側にとっても、過去の(他のSNSでの)データをまるごと移行するサービスが提供できれば、会員獲得に有利になります。逆に既にSNSを運営している企業にとっては、「引っ越しやすくなる」というサービスは頭の痛いものになるでしょうが。
この「標準化」というアイデア、健診やSNSだけでなく、まだ様々な分野で応用できそうです。
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