このところ、携帯電話からインターネット検索を行うサービスがにわかに活気付いています。今週末に行われるCNETセミナー「次世代ウェブの検索サービスを探る」でも、「モバイル検索の可能性」と題したパネルディスカッションの時間が設けられており、このトピックに対する関心の高さがうかがえます。
そんな中、新しい発想を持つモバイル検索エンジンが2つ発表されました。まずはVDSが今月28日から開始する、音声認識による検索サービス:
VDS、携帯電話向けに、音声認識インターネット検索サービスを開始(CNet Japan)
ケータイに向かって発声されたキーワードを認識、事前に登録してあるキーワードとのマッチングを行って結果を返すサービスになるようです(つまりリスティング型の検索サービス)。収益モデルですが、「料金についてはボイスドメインの登録企業から徴収するため、ユーザーには音声通話によるアクセス料金とパケットによるアクセス料金を除いて無料で提供される」とのこと。売上高については、「2006年3月期に5000万円、2007年3月期には2億3400万円を掲げている」そうです。
次にドワンゴが発表した、メールを利用したケータイ検索サービス:
ドワンゴ、携帯メールを利用したコンテンツサービス提供の新会社「ニワンゴ」を設立(日経プレスリリース)
今日の日経産業新聞には、より詳しい内容が掲載されています。それによると、
欲しい情報のキーワードを専用のアドレスにメールで送信すると、対象となるサイトのアドレスがメールで返信される。返信メールからサイトに接続すれば、従来の検索サイト経由に比べ少ない操作で携帯キャリアのメニューにはない「非公式サイト」を閲覧できる。
(中略)
利用は無料で、検索結果の返信メールに掲載する広告が収入となる。初年度は10億円近い売上高を目指す。
とのこと。このサービス、検索エンジンの精度がイマイチだとメールの送受信にかかる時間がムダになるだけですが、もし精度の高い結果を返すなら、記事の言う通り操作を簡略化できる可能性がありそうです。
2つのサービスでビジネスモデルが分かれたのも面白いですね。簡略化して言えば、VDSがリスティング登録企業からの手数料収入で約2億円の売上げを目指しているのに対し、ドワンゴは広告収入で約10億円の売上げが目標となっています。まったく異なるサービスなので、簡単な比較はできませんが、モデルの違いが今後どう影響してくるのか注目したいと思います。
携帯電話の検索サービスについては、携帯電話の操作性、携帯電話向けコンテンツ市場の複雑な構造などの理由から、一筋縄ではいかない部分が多くあります。VDSやドワンゴのサービス以外にも、新しい発想を持ったサービスがどんどん登場してくるのではないでしょうか。
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