楽天によるTBSの買収問題。いよいよTBSが楽天に「ノー」を突きつけるタイミングが来たようです:
楽天提案に“ゼロ回答” TBS、あす取締役会で決定(CNET Japan)
この問題、詳しくフォローしていたわけではないので専門的なことは言えないのですが、結果的にTBSにとって良かったのではないでしょうか?
TBSと言えば、教養系・ドラマ系に強いというイメージがありながら、いまいちパッとしないという感じがします。実際、最近は視聴率も低迷しているようです:
視聴率に見るTBSの「お買い得度」(IT-PLUS)
上の記事はちょっと古いので、最新の視聴率データをビデオリサーチのホームページで確認してみましょう(下記のリンクは「パーマリンク」ではないので、今後ずれる可能性があります):
各分野でのトップ10のうち、TBSがランクインした数は次の通り:
- 報道 - 無し
- 教育・教養・実用 - 2位、3位、5位にランクイン
- 音楽 - 3位にランクイン
- ドラマ - 3位にランクイン
- アニメ - 無し
- 映画 - 無し
- スポーツ - 3位にランクイン
- その他娯楽番組 - 6位にランクイン
やはり教養系に強いだけで、後は音楽・ドラマでかろうじて視聴率を稼いでいるといったところでしょうか。面白いスポーツ・コンテンツを見抜く/買い取る力も劣っているようです。
そんなTBSですが、今日の日経新聞には、TBSがこれまでにネット関連分野で提携した提携先の一覧が掲載されています(一覧があるのは紙面のみ):
楽天・TBS和解へ調整--対決避け事業提携へ(日本経済新聞朝刊、2005年11月29日)
- 電子商取引 - ビックカメラ、アマゾンジャパン
- パソコン向け配信 - USEN、NTTグループ
- ネット向け - 電通
- 携帯電話向け配信 - インデックス、三井物産
そしてこの記事の直後には、こんなニュースも:
TBS、MSNと連携へ・ネットに番組供給(NIKKEI NET)
まさに「ネットとテレビの融合」を地で行くといった感じです。これらの提携にはもちろん楽天の動きとは関係ないものも多く含まれていると思いますが、TBSの危機感が提携を急がせたという背景も多分にあると思います。さらにTBSは、他のテレビ局との連携も進める考えのようです:
TBSとインデックス、在京民放にモバイルコンテンツ配信事業への参加打診(CNET Japan)
結果的に楽天も、買収ではなく事業提携という形で事態の収拾を図るようですね。これでTBSの提携先に楽天も加わることになれば、一大「ネット-テレビ局連合」が完成するのではないでしょうか。楽天が煽った危機感によって、TBSが新しい時代に向けて生まれ変わり、次世代のメディア界で盟主の座を奪った--なんていうシナリオになると面白いのですが。
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