もう昨日になってしまいますが、こんなイベントに参加してきました:
enNetforum特別セミナー -SNS(ソーシャルネットワーキングサイト) 技術がワークスタイルを変える- 「SNS, blog, RSS, Wiki等を活用した業務改革研究会」
長いタイトルから察するに、社内SNSをどのように活かすか?という内容だと思って参加してみたのですが、中身はSNSベンダーによる製品アピールが半分(しかもその半分は普通のSNSの説明)、統一感の無いパネルディスカッション半分といったところで、正直期待していた内容とは異なりました。
その中でも得たことがあるとすれば、「やっぱり無意味に社内SNSを導入しても意味がない」ということ。いやむしろ、今日のようにベンダーの薦めるままに社内ブログ/SNSを導入していたら、逆に作業効率が下がってしまう恐れがあるという思いを強くしました。
ハーバード・ビジネス・レビューの2006年1月号に、「非生産的なコラボレーションを防止する~ソーシャル・ネットワークの実践活用法」という記事が掲載されています。タイトルから察せるように、安易にソーシャル・ネットワーキングを促進することを戒める内容の記事です。そのポイントとするところ(と僕が勝手に思っていること)は3つ:
- 業務の形態に応じた、最適なソーシャル・ネットワークの様式がある(記事では3種類に分類されている)
- 業務の形態に適したソーシャル・ネットワークを構築しない限り、業務効率は上がらない(むしろ無意味なネットワーキングが効率を下げる)
- コラボレーションを促進するためには、ツールを導入するだけでなく、組織改革や企業文化の改革、経営陣によるイニシアティブが必要
詳しくは記事を読んでいただくとして、以上のポイントは納得できるものでしょう。例えば僕はコンサルティング会社にいるわけですが、コンサルタントの仕事では他社で働いている人も含めた、非公式(会社の業務に直接関係無いという意味で)なネットワークが非常に重要になります。なので忙しい合間を縫って、ネットワーキングの時間を作るようにしている人が多いです。しかし僕は以前、コールセンターで電話営業を行う現場にいたことがあるのですが、そこでコンサルタント型のネットワーキングが横行したとしたら、仕事になりません(というより、そもそもネットワーキングする必要がない)。
これは極端な例なので分かりやすいですが、「実は意味の無い」コラボレーションが奨励されている例は多いのかもしれません。その点を理解せずに、ベンダーが流行に乗って開発したツール(+その流行にただ乗りして一儲けしようとしているコンサルタント)に惑わされてシステムだけ導入してしまうと、貴重な時間が費やされたのに「なぜか何も生まれない・・・どうして?」ということになってしまうのでしょう。
会議ばかり続くと、社員の時間やエネルギーはいたずらに消費される。リーダーがだれであるのかはっきりしない場合などは、意思決定に遅れが生じる。人脈は広ければ広いほどよいと信じ込まない方がよい。
先ほどのHBR記事からの引用です。会議を「SNS」や「ブログ」に置き換えても良いでしょう。IT技術の導入は、その目的と社内組織をよく理解してから。そんな当然の原則が、社内ブログ/SNSでも当てはまるということを、改めて肝に銘じようと思いさせられたイベントでした。
(もうお正月は終わってしまいましたが)
あけましておめでとうございます。
この記事、思うところがありましたので参照させていただきました。
今年もよろしくお願いします。
投稿情報: アリタケン | 2006/01/08 11:07
あけましておめでとうございます。
記事、拝見させていただきました。組織コミュニケーションに関する2×2のマトリクス、面白い分類法だと思います。別の機会に、この考え方についてコメントさせていただければと思います。
今年もどうぞよろしくお願いします。
投稿情報: アキヒト | 2006/01/08 15:48