今日は自宅でお守りをしつつ、社内向けのブログ説明記事を作成していました。推敲中の記事ですが、ここで公開してしまいます。「???」な部分があったらどうかご指摘を。
Permalinkとは何か
これまでにブログを読まれたことがある方は、そのトップページを思い出してみて下さい(読まれたことがない方は、サンプルとしてこちらのブログをどうぞ)。何件かの記事が、投稿日時の逆時系列順(新しい記事が上)に表示されている画面を思い浮かべられたのではないでしょうか。トップページには当然URLがあるのですが、それとは別に、ブログの各記事はそれぞれ固有のURLを持っています。これがPermalinkと呼ばれるもので、各記事の冒頭もしくは末尾に表示されています(ブログにより、「固定リンク」や「個別ページ」などと呼ばれる場合もあります)。
試しにブログを開いて、「Permalink」もしくは「固定リンク」「個別ページ」と表示されている部分をクリックしてみて下さい。その記事だけが画面に表示されて、トップページとは違うURLが表示されたのではないでしょうか。これがいま選択した記事のPermalinkで、例え記事が古くなってトップページに表示されなくなった(トップページのURLではその記事を見ることができなくなった)としても、Permalinkさえ分かれば必ずその記事を表示させることができます。
(※Permalinkは「Permanent(永久の、永続する)」「Link(リンク)」という2つの単語を組み合わせて作られた造語で、文字通り「永続するリンク(URL)」のことを示しています。)
技術的な説明は以上なのですが、Permalinkは単に新しい機能というだけではなく、ブログがもたらした新しい発想を象徴しています。それをご説明したいと思います。
「オブジェクト指向」的記事構成アプローチ
例えて言うならば、ブログは「オブジェクト指向」的な発想でサイトが構成されています。個々の記事が独立した構成要素となり、その組み合わせで様々なページが表示されるのです。
例として、「今日あった出来事を紹介するサイト」があったとしましょう。トップページには今日の出来事が逆時系列で掲載され、昨日以前の出来事は「アーカイブ」として別のページに編集されています。ここで「従来のアプローチ」と「ブログのアプローチ」でサイトを作成すると、以下のようになります。
(※ごく単純に二分化しただけですので、「従来のアプローチ」と言っても様々な手法があることについてはご容赦下さい。)
まずは従来のアプローチ。
そしてブログのアプローチ。
掲載されている情報は同じですが、従来のアプローチでは、トップページ1つに全ての情報が掲載されています。それに対しブログでは、情報のまとまりが個別の記事として独立しており、トップページは個々の記事を集めて表示するという形式を取っています。
記事を作成する手間をまったく考慮に入れないとしたら、どちらのアプローチの方が優れているでしょうか?一見すると、ブログのアプローチは二度手間のように思えるかもしれません。しかしここで、「必読書発見」という部分を読んだ誰かが「これはいい、僕のページからリンクしておこう」と考えたとします。従来のアプローチだと、リンクはトップページに貼るしかありません。しかしブログのアプローチであれば、リンクは「必読書発見」記事のPermalinkに対して貼ることができるのです。
10月1日の間は、どちらのアプローチでも大差ありません。しかし次の日になり、新しい記事が投稿されたとしましょう。すると10月1日の記事はトップページではなく、アーカイブのページに表示されることになります。従来のアプローチでは、リンクをたどってこのサイトにやってきた閲覧者は、思っていた内容とまったく異なる記事を目にすることになります。ところがブログのアプローチであれば、どんなに時間が経過したとしても、(記事の内容を編集しない限り)リンクを貼った人が思っていた通りの記事にジャンプすることができるのです。このように、Permalinkの機能があれば、他のサイトからリンクを設定し易くなります。サイト単独の内容よりも、他のサイトとどれだけリンクしているかが重要になるWeb2.0の世界では、リンクを設定し易いということは非常に重要なポイントとなります。
また記事が意味のあるまとまりで独立しているということは、それだけ情報が分類されやすいということになります。個々のページに対して、「記事カテゴリ」というメタ情報が設定できたとしましょう(ちなみにこれもブログを特徴付ける機能ですが、仮に従来型のサイトでもカテゴリ設定が可能だとします)。従来のアプローチでは、トップページの内容は多岐に渡るため、設定できるカテゴリは「作業報告」ぐらいしかありません。仮に「作業報告」「プロジェクト問題点」「お薦め書籍」などといった複数のカテゴリが設定できたとしても、閲覧者は記事全体を見なければ、目指す内容がどこにあるかは分かりません。
しかしブログのアプローチであれば、個々の記事が独立しているため、例えば作業報告の内容が記されている記事には「作業報告」、本をお薦めしている内容であれば「お薦め書籍」といったぐあいに、より内容に合致したカテゴリを設定することができます。このように、「オブジェクト指向」的に「意味のあるまとまりごとに独立した記事によってサイトを構成する」という発想になっていれば、情報をより探し易い形で管理することが可能になるのです。
Permalinkをより有益にするために
Permalinkは単なる機能ではなく、その裏には①記事にリンクしやすくする②記事を分類しやすくする、という思想が隠れています。従ってPermalinkをより有益にするためには、記事を投稿する際に以下の点に注意しなければなりません。
1. 1つの記事に盛り込む内容は、できる限り1つに限定する---複数の内容を書くときには複数の記事に分けて。
2. いったん投稿した記事のトピックを変えることはしない---トピックからそれない修正は良いが、大きな変更の場合は元の内容を残しておくか、別の記事として投稿する。
3. 他のブログにリンクを貼るときは、PermalinkのURLにリンクしていることを確認する---誤ってトップページなど、個別記事を集約したページのURLにリンクしてしまうと、時間の経過と共に意図していた記事にたどり着けなくなる危険が高まります。
この条件が守られなければ、ブログの価値は損なわれてしまいます。ぜひ上記の点にご留意いた上で、記事をご投稿下さい。
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Permalinkの説明だけでなく、ブログ特有の記事管理方法まで絡めて解説しようと思っているのですが、無理やりこじつけずにサラッと流した方が良いのでしょうか?
しかしブログを説明するためには、RSS・トラックバック・Permalinkなどなど、付随する技術の説明をしなくてはならないというところがやっかいです。自分でも改めて知識を咀嚼しながら、分かりやすい説明文を考える毎日です。
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