セマンティックWebコンファレンス2006、開催中です。例の「ユビdeコミミハサンダー」のデモが行われていたので、実際に触れてきました。
東芝さんご自身の説明によれば、ユビdeコミミハサンダーとは:
携帯電話のカメラで商品のバーコードをスキャンすることで、インターネットから商品のメタデータを取得、関連するブログを収集し、その商品の口コミ情報をリアルタイムでユーザーに提示
するシステムとのこと。単にブログ検索するだけでなく、以下のような機能を備えています;
- ポジティブ・ネガティブ判定機能:ユーザーの評判情報をまとめる
- ホットトピック抽出機能:関連他商品で話題の商品を提示
- ソート&フィルタリング機能:有用なブログを前に持ってくる
このブログ解析の仕組みに、オントロジーが活用されているというわけです。この部分だけでPC用ブログ検索エンジンを作っても、面白いサービスが実現できそうです。
で、上の写真のように携帯電話のカメラでバーコードを読み込ませるのですが、これが早い。普段2次元バーコードを読み込ませるよりも、ずっと早く認識してくれます(単に僕の使っている携帯電話が古いだけかもしれませんが)。バーコードを読み込むと自動的に検索が始まり、少し待つと以下のような画面が表示されます(クリックで拡大):
ちなみにこれはPSPのバーコードを読み取った際の結果。ちょっと読みづらいですが、実際にWEB上に公開されているブログからデータを取得したとのこと。また現在はRDFを読み取ったことを明示するため、メタデータの部分をわざと表示させているとのことですが、2月から始まる実証実験ではきちんとしたインターフェースになっていることでしょう。
レスポンスも早いし、ポジティブ/ネガティブの件数を表示してくれるなど、「使える」形に情報が加工されているということで、使ってみたいサービスだと感じました。セマンティックWEB系のアプリケーション(のアイデア)は、とかく理論先行のものが多いように思うのですが、ユビdeコミミハサンダーはサービスの面からも検討が行われていることを感じさせます。実際、講演では東芝の担当者の方が
大きなビジョンを描いても、誰もついてこない。
「0.1歩的な、すぐ使えるサービスを」と考えて開発した。
という趣旨の発言をされていました。その言葉通り、ユビdeコミミハサンダーは良い意味で理論や技術を感じさせない、使えるサービスとして仕上がっていると思います。
< 追記 >
会場で売られていた『CD‐ROMで始めるセマンティックWeb』という本を買ってきて読んでみました。まるで Word か Excel のハウツー本のようなタイトルですが、中身はしっかりしています。セマンティック系の話の入門編としておすすめ。
うーん、とても便利だとは思うんですが...
「携帯電話のカメラで商品のバーコードをスキャンする」行為をOKする(どんな業種であれ)販売店って、どのぐらいあるんでしょう?
書店だったら、それこそデジタル万引だって店員が飛んでくるでしょうし、「価格チェックお断り」を掲げている店も絶対いやがるだろうし。
店側で、こういうことのできる情報端末をお客様に渡して使っていただくことならOKだとは思うんですが、お客様の持込のカメラ付で店内で何かやっているというのは黙認できないのではないでしょうか。
投稿情報: 宏 | 2006/02/02 05:48
確かに商品(特に書籍)にケータイを向けていたら、デジタル万引きと勘違いされかねないですね。デジタル万引きでなくても、「価格チェックお断り」を掲げるお店は嫌がると思います。「ユビdeコミミハサンダーお断り」なんて張り紙をするお店が現れたりして(笑)
冗談は抜きにして、こういったサービスが実用化された場合、小売店は対応を迫られるでしょうね。禁じるお店も確かに現れると思いますが、何をスキャンしたか(つまりどんな商品が手に取られたか)を小売店側にフィードバックする仕組みが提供されれば、逆に利用を促進するお店も現れると思います。
投稿情報: アキヒト | 2006/02/02 10:39