目新しい取り組みではありませんが、今日の日経新聞朝刊に、子供を安心して遊ばせることのできる商業施設が増えてきたという記事が掲載されていました:
買い物中 子供を守れ(日本経済新聞2006年1月13日朝刊、第29面)
監視員常駐の有料遊び場を作るなど、よりセキュリティ面を重視した設備を儲ける商業施設が増えてきたとのこと。残念ながらWEB上の記事は無かったので、中で紹介されていた遊戯施設「ファンタジーキッズリゾート」を解説した記事へのリンクを貼っておきます:
「ファンタジーキッズリゾート――『15分105円』で手軽、親子の憩い演出」 (BizPlus)
大型商業施設の主なユーザーは主婦層ということになるでしょうが、主婦層を取り込むために、子供達のニーズ(親が買い物している間、安心して遊べる)を満たす取り組みを行っているわけです。こういった発想は、家族で来客することが「目で見える」商業施設においては、比較的行いやすいものだと言えるでしょう。
同じ発想をしているのが、ドコモの発売した「らくらくホン シンプル」です:
ヒットの予感 NTTドコモ通話専用携帯「らくらくホン シンプル」--高齢者「見守り」武器に(日経産業新聞2006年1月11日、第5面)
ACアダプタに端末をセットすると、自動的に家族にショートメッセージが送信されるという「見守り」機能が付いています。ユーザーであるシニア層に配慮するのみならず、その家族のニーズまでも満たす努力をしているわけです。こちらの記事も残念ながらWEB上に無いので、ケータイWatchのニュースをリンクしておきます:
ドコモ、FOMA「らくらくホン シンプル」を16日発売(ケータイWatch)
考えてみれば、法人営業でも「誰が購買のキーパーソンか」を必ず考えなくてはならないわけで、あるモノ/サービスを買うかどうかを決める際に誰から影響を受けるか、を考える姿勢は常に必要でしょう。ユーザー本人のニーズを満たすのはあたりまえ、そのユーザーの周囲にいる人々のニーズまで満たすことでやっと振り向いてもらえる、という訳です。
そう考えると、WEBアプリケーションにも様々な改善点が発想できそうです。例えばレストラン検索サイトに「候補に挙がった店舗をリスト化して、他のユーザーからの投票を受け付けるページ」なんて機能はどうでしょう。もちろん自分一人で行くお店を検索することもあるでしょうが、大概は誰かと行くお店を探すことが多いはずです。例えば会社で新年会を開くときに、「A:○月○日午後7時から中華料理店、B:○月○日午後8時から創作和食店」などといったアンケートを取ることが簡単にできれば、お店を探している幹事本人のみならず、参加者のニーズまでも満たすことができます。
検索エンジンも、誰かと共有する情報を探すために使うことが多いはずです。似たような発想に基づいた検索サービス(winkなど)が既にありますが、例えばあるプロジェクトチームで調査をしている時に、「他のメンバーが入力したキーワードと、既に閲覧したリンク先が簡単に分かるような機能」があれば、「同じキーワードで同じようなページを見ていた」というムダを排除することができます。
なかなか上手な例が思いつきませんが、そんな「使っているだけでユーザー本人と、ユーザー以外の人々まで幸せにできるサービス」を世に送り出してみたいものです。
なかなか興味深いテーマですね。広義にはタギングに通ずるところなのでしょうか。パーソナルとソーシャルの中間かつ都度デザインされるコミュニティでのグループウェアといったところかな。
このあたりは、今私が研究しているテーマに近いところだと思います。なにかこうワクワクする領域です(笑)
投稿情報: p-article | 2006/01/13 16:42