小さな子供がいる身としては、最近の子供を狙った犯罪には寒気がします。こんなサービスが身近にあれば、すぐにでも契約したい気分:
子供が性犯罪者に近づくと警告する携帯電話(ITmedia)
米CATS Communicationの携帯電話では、子供が全米性犯罪者データベースに登録されている性犯罪前科者の住居近くに進入すると、親に警告を発信する。
というサービスだそうです。
まずはプライバシーだの人権だのといった問題を無視して、親にとっては単純に「欲しい」と思わせるサービスに違いありません。犯罪者(正確に言えば「かつて犯罪を犯した人物」)の接近を事前に知ることができれば、子供に警戒を促すことができます。単に「子供がどこにいるか」を把握するよりも、格段に防犯効果があるサービスと言えるでしょう。
ただ、このサービスが(正確にはこのサービスを実現している技術が)恐いと思わせるのは、情報の出口が身近にあることによって、どれほど簡単に情報が伝播し得るかということを示している点です。犯罪者の個人情報を集めて、データベース化することには実はあまり意味がありません。それをCATS Communicationのサービスのように、誰もが持つ端末から簡単に入手できることによって、初めて価値が(元犯罪者にとっては不幸が)もたらされるわけです。
もしかしたら、モバイル化の進んだ情報化社会においては、あらゆる情報がデータ化されて保管されることよりも、情報の出口がいたるところにあることの方に注目すべきなのかもしれません。新しいビジネスを作ろうとする企業にとっては、「情報端末に何を流すのか」を考えることが重要であり、司法・行政にとっては「端末に何が流れてはいけないのか」を考えることが重要--そんな風に感じます。
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