今朝の日経産業新聞で、ちょっと面白い実験がなされていることを知りました。なんでも、人間の影には意外な存在感があるとのこと:
■ 眼光紙背 -- 情報過多時代、奇妙な希薄感 (日経産業新聞 2006年6月23日 第28面)
早稲田大学理工学院の三輪教授が研究されている、「人の影法師が生み出す存在感」について。記事によれば、
別々の部屋にいる人同士をネットワークで結んで共同作業をさせる場合、相手が立っていると想定される位置にその人物の影を映し出すと、お互いの一体感が増し、作業がスムーズに進むようになる。人物の姿をテレビ画面に映し出すよりも効果は大きいとか。
という解説がされています。研究室ではこの研究結果から、"Waseda Shadow Communication System (WSCS)"という「個人や集団の影を送りあうシステム」を開発しているのだとか(研究室のページで写真を見ることができます)。三輪教授によると、影があることで人間同士にある種の場が形成され、これを共有することで一体感が生まれるのだそうです。
実際どこまで効果があるのかは、体験してみなければ分かりませんが、意外なデータ・簡単なデータが実は「存在感」というものに大きな影響を与えているのかもしれませんね。メッセンジャーツールを使っていると、誰がオンラインか一目で確認することができますが、オンライン中であることを示す緑色のライト(表示方法はツールによりけりですが)を見ると「あ、彼/彼女はまだ仕事してるんだー大変だなー」と感じることがあります。これも一種の「単純なデータが醸し出す存在感」に近い話なのかもしれません。
そう考えると、簡単な情報で存在感を高める仕組みについて、別のアイデアを考えることができるかもしれませんね。さすがにメッセンジャーを通じて影法師を送ることはできませんが、キーストロークやカーソルの動きといったデータを共有することで、もっと仕事仲間や友人の存在を身近に感じられるようになるかもしれません。例えば過去10分間のキーストローク数をカウントして、それに応じてアイコンの色が変化する(ものすごく集中してタイプしている人のアイコンは真っ赤になるとか)なんて仕組みがあったら、「おーアイツがんばってるなー!」などと感じられると思うのですが、どうでしょうか。
コメント