突然ですが、うちの娘は非常に可愛いです。写真を何十枚もプリントアウトして、知り合い全員に配り歩きたいぐらい。しかし逆のことをやられたらウザいと感じるに違いないので、気持ちをグッとこらえているのですが、このサービスで作った「自分の娘切手」で手紙を出すぐらいならみんな許してくれるのではないでしょうか:
■ この企業に注目 米スタンプス・ドット・コム 切手 ネットで購入・印刷 -- 写真選び「オリジナル」も(日経産業新聞 2006年6月16日 第4面)
ネット上で好きな写真をアップロードすると、それで本当に使える切手を作成し、自宅のプリンターで出力できるというサービス"PhotoStamps"について。ネットからオリジナルの切手を作れるサービスは2004年からスタートし、現在3回目の試験販売中ということですから、ご存知の方も多いかもしれません。2005年に行われた2回目の試験販売では、半年間で1千万枚の売り上げを記録し、BusinessWeek の「2005年のベスト・プロダクト」にも選ばれたそうです。詳しくは以下のページに:
■ PhotoStamps: Learn More: Is this real postage?
誤解を恐れずに言えば、「自分の写真で切手を作る」というのはそれほど奇抜なアイデアではないでしょう(確か以前、似たようなビジネスの話題を聞いたことがある気がします)。しかしそれをネットを通じて誰でも簡単に行える仕組みを実現したのが、このサービスの素晴らしい点ではないでしょうか。実際、ヌードや肖像権のある有名人、犯罪者は切手にできないため、現時点ではたった6人の専門スタッフが目で可否をチェックするという力ワザでサービスを運営しているそうです(画像認識システムも開発中とのこと)。また今後、Flickr に代表される画像共有サービスなどとの連携の可能性(「この写真で切手を作る!」ボタンを各サービスに付けてもらうとか)を秘めているところも特筆すべき点だと思います。仮に Riya と組めば、顔認識技術を使って事前の可否確認が容易になりますから、一石二鳥なのではないでしょうか?
一方、このサービスはスタンプス・ドット・コムに利益をもたらしただけでなく、手紙の利用を促すという効果もあったそうです。以前行ったアンケートによれば、「写真切手のサービスが手紙を送るきっかけになった」との回答が半数近くに上ったとのこと。僕のように「子供の写真を切手にして送ってやろう」とか、「自分のペットを切手にしてみんなに見てもらおう」という人が多かったのでしょう。わざわざ写真付きはがきを作る手間よりも簡単、という心理も働いているかもしれません。いずれにしても、ネットを使ったアイデアで、手紙というアナログのサービスを盛り上げるきっかけが作れたというのは面白いですね。
考えてみれば、先日ご紹介した「スーツケースにつける荷物タグに好きな写真が印刷できるサービス(参照記事:個性の主張)というものも、ちょっとした手間で他人に話したくなる/見せたくなるモノを作るというサービスです。タグを作ったから旅行に出かけよう、という人はさすがにいないと思いますが、仮に同じ値段のエアチケットがあったとしたら、こんなサービスがある方の航空会社を選んでしまうかもしれません。何か商品やサービスの販売促進をしたい、という場合には、こんな「ちょっとした話題づくり」を可能にする仕掛けを考えてみても面白いと思います。
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