以前『シロクマ日報』の方で、「ニッチなニーズはまだまだあるものだ」ということを書いたのですが(席替えはITで?)もう1つそれを実感させるサービスがありました:
論文などの最後につける「参考文献一覧」が簡単に作成できるというもの。操作はごく簡単で、表示されている入力欄に本のISBNを入れて実行すればOK。複数の参考文献がある場合(99%以上そんな場合ばかりでしょうが)、ISBNの順序を気にする必要はなく、適当に入力しても正しい順序に並び替えてくれます。APA、MLAなどとあるのは表示形式で、1つを選ぶとその形式に従う形で表記してくれます(興味のある方はこのへんのページをご確認下さい)。
表示結果がどのようになるか、サンプルはこちら(3冊の書籍をMLA形式で表示したもの)。
お分かりの通り、実行結果にはパーマリンクをつけてくれるので、後から参照したい場合はこのURLを控えておくだけでOK。しかも印刷用ページまで用意してくれているので、時間がない場合はこれを印刷して末尾に付ける、なんてことも可能。うーん、こんなサービスが留学してた時にあったら良かったのに・・・。
このサービスの上手いところは、結果表示画面にある「類似書籍(Similar Books from Amazon.com)」という部分。ロジックは不明ですが、入力された書籍に近い書籍を探して表示してくれます。このリンクがアマゾンのアフィリエイトになっていて、「あ、この本も使えるかもしれないから買ってみよう」となって手数料が手に入る、という仕組み。ottobib.com の運営者にしてみれば、システムを用意しておくだけで後は何のコンテンツを作らなくても、勝手にリンクを踏んでくれるというわけです。
「論文の末尾につける参考文献一覧を作る」のように、
- ごくまれにしか発生しないが、
- その解決には専門知識/時間が要求される上に、
- 解決できなければ深刻な事態に陥る問題
というニーズは探せば他にもあるかもしれませんね。しかもその解決には仕組みを作るだけで良い(ユーザーごとに解決策をカスタマイズする必要がない、また解決策を作るうえで人間の判断が必要とされない)というものであれば、ottobib.com のように「後は広告収入/アフィリエイト収入が入ってくるのを待つだけ」ということが可能になります。
まあ実際にはそんなニーズはめったに見つからないし、実現したサービスが評判になればすぐに競争相手が登場するでしょうが・・・。ただ、ニッチなニーズとその解決策を探す姿勢は忘れてはいけないですね。
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