今日ふらっと立ち寄った本屋で、なにげなく雑誌 AB-ROAD を手に取りました。ところが表紙に「23年間ありがとう!最終号!!」と書かれているのを見てびっくり。
2006年10月号をもって休刊することになっていたのだそうです。知らなかった・・・。AB-ROAD と言えば、かつて海外旅行を思い立ったときによくお世話になりました。昔はもっと分厚くて、手にずっしりと重さを感じたものです。それがまた「海外へ行くぞ~!」という気分を高めたりして、AB-ROAD を買うときは思わず嬉しくなってしまったことを覚えています。
しかし大学生になって個人旅行がメインになると、買うことも少なくなりました。ネットの旅行サイトが充実するようになってからは、そちらでほとんどのニーズが満たされるようになりましたし。実際、AB-ROAD が休刊に追い込まれたのも、個人旅行の普及と旅行サイトの充実という2つの理由が大きかったのではと想像します。特にサイトの検索機能が進歩し、本をめくるよりもずっと早く知りたい情報が手に入るようになっては、わざわざ紙媒体で探そうという人も少なくなっていたのでしょう。
ですが、なぜかこの休刊には残念なものを感じます。まだ「旅に出る!」と決めただけの状態で、分厚い AB-ROAD をパラパラとめくりながら様々な国に想いを馳せる・・・なんてことをしているだけで、十分ワクワクしたものです。旅行サイトで検索をかけているときとは違う楽しさというものが、そこにはありました。
結果として情報を得ることは一緒ですが、「探す」という行為は雑誌とウェブとでは大きく異なります。それは強いて言えば「偶然の出会いの有無」といったところでしょうか。検索は「これを探す」というハッキリとした意思を必要とするのに対し、紙媒体は興味がランダムに飛ぶことを、かつそれを無意識に行うことを許します。ハワイのページを見ていたかと思えば、次の瞬間にはヨーロッパのページが開いている。アジアを見ようとパラパラとページをめくっているうちに、ふと開いた中東のページに載っていた古代遺跡の写真に心を奪われる・・・そんな経験が雑誌では可能でした。感傷的な表現を許してもらえるならば、一期一会という経験ができるという点で、旅行雑誌を読むのは「旅の一部」だった思います。
まぁ、これもノスタルジーの一種なのかもしれませんね。旅行サイトは旅行サイトで楽しいものですし、採算度外視で雑誌を残せ!などと言うつもりもありません。ただ、自分が慣れ親しんでいた行動パターンというものが消えていくことに、一抹の寂しさを感じます。
ちなみにリクルートは AB-ROAD の公式サイトを海外旅行情報サイトとして拡充し、10月10月にリニューアル・オープンさています:
■ AB-ROAD
詳しくは CNET Japan の記事が参考になります:
■ リクルート、休刊した海外旅行情報誌「AB-ROAD」をウェブサイトで再開 (CNET Japan)
RSS配信を行うなど、様々な先進的機能が盛り込まれているようです。AB-ROAD ブランドに恥じないよう、充実したサイトになって欲しいですね。
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