最近さまざまなサイトで、「ブックマークする」アイコンを見かけます。例えば、以下のスクリーンショットは ITmedia の記事で:
これは CNET Japan のもの:
日本ではソーシャルブックマークというと「はてなブックマーク」が最も有名ですから、どちらのサイトにも「はてブ」アイコンがついていますが、海外だとそれこそ10個ぐらいのアイコンがずらっと並んでいることも。で、「それって本当に有効なの?」と疑問を投げかける記事がこちら:
■ It's the content, not the icons (37signals)
かつてのポータルサイトのように、ソーシャルブックマークが「アテンション集約装置」として作用していることには疑問の余地はありません。アテンションの「入口」側がごく一部のセグメントでしかない(つまりコンピュータに詳しく、ネットを日々チェックしているような人々しかまだ使っていない)という批判はあるものの、「ブックマーク数が多い記事をチェックする」という行動が定着しつつあることは確かです。しかし例えば"Technorati’s top 10 blogs"や"Digg’s Top Today"の中で取り上げられているサイトに「ブックマークする」アイコンを使っているものはほとんどない、従ってアイコンの効果は小さい(人々は「そこにアイコンがあってブックマークしやすいから」ブックマークするのではなく、「面白い記事だと思うから」ブックマークするのだ)というのが記事の主張です。
この主張、「このブログをRSSリーダーに登録する」「この記事でブログを書く」ボタンに通じるものがあるかもしれませんね。というとこのブログも、右サイドに「Google Reader に登録する」ボタンがあったりして他人の批判はできないのですが・・・。ただ確かに、「アイコンがあったから」ブックマークしたことがあるかと言われれば、そんなことはほとんどありません。記事が言うようにまずはコンテンツの中身ですし、そもそも「はてなブックマーク」など、簡単に登録できるようなブックマークレットを用意してくれているところが多いですからね。
では「ブクマしてアイコン」は"visual noise"(逆にデザインをごちゃごちゃさせてしまうようなモノ)にしかならないのでしょうか。そうなってしまう危険性もありますが、例えば上記の ITmedia や CNET Japan の例のように「この記事がブックマークされている数」を示すようなデザインになっていれば、「その記事が注目されているか否か」を示すバロメーターとして使えると思います。またブクマアイコンを押して、他の人々の記事に対するコメント(ブックマークサービス側で用意されているコメント機能)を見るという使い方もできるでしょう(これはそもそも、記事の側でコメント機能が用意されていれば必要ないかもしれませんが・・・※)。つまり「ブックマークしてね、注目集めたいから」という意図でアイコンを設置するのはNGだとしても、読者の利益のためにアイコンを設置するという可能性もあるのではないか、と思います。
そろそろ「SBO (ソーシャル・ブックマーク・オプティマイゼーション、ソーシャルブックマークを上手く活用してアクセスを集める手法といった意味)」というような言葉を使う人も増えてきましたし、こうした「どうすればブックマークしてもらえるか」的なテクニック論は今後も盛んに行われるかもしれませんね。
※注記
記事の側にコメント機能が用意されていても、ブックマークサービス側のコメントの方が盛り上がっているというケースもありますが。この辺、「招かれた家で招かれた家の批判ができるか」「招かれた家の批判は、家の外でする方が心理的な抵抗感が少ないのではないか」という議論に発展するかもしれません。
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