Useit.com に、こんなネタ記事がありました。ネタとはいえ、なかなか面白いのでちょっとご紹介を。
■ Usability in the Movies -- Top 10 Bloopers (Jakob Nielsen's Alertbox)
「映画内に登場するユーザーインターフェースの誤りトップ10」ということで、以下の10コが取り上げられています:
- どんなインターフェースでも使いこなす主人公
- 現代のデザインを使いこなす、タイムトラベルで過去から来た人物
- 3Dインターフェース(※実際には2Dインターフェースの方が操作性に優れている/例:『マイノリティ・リポート』のコンピュータってカッコいいけど、あれって本当に使いこなせるの?)
- どんな機器とも相互接続して、どんなデータでも読み取れる端末(※例:『24』のジャック・バウアー)
- 不要な「アクセス完了」メッセージ(※正しいID/パスワードを入力したら、すぐにHOME画面に移るのが親切なんじゃ・・・)
- 大きなフォント
- 喋るコンピュータ(※実際には音声だけのデータは貧弱で非効率的)
- クルマが運転できるリモコン(とそれを使いこなす主人公)(※方向を変えるにはハンドル、ブレーキにはペダルなど、目的に対してベストなインターフェースがあり、簡単には代替できない)
- スパムのないEメール(※着信するメールがすべてストーリーに関係のある内容!)
- 簡単に扱えるUNIX
「まぁ映画だからそうなってるんじゃないの」という意見は当然で、記事中でもこれらは"audience interface"(映画内の登場人物のためではなく、映画を観ている観客のためのインターフェース)と称されています。クライマックスでピンチに陥っている主人公に、謎のEメールが着信!->実はスパムだった、なんてシーンがあったら興ざめですからね。同様に、ダウンロードした衛星画像が開けないジャック・バウアー、リモコンでの運転に失敗して事故るジェームス・ボンドなんてのも見たくない・・・。
ただし「映画だから」で済ませてはいけない理由として、次の2つの問題点が挙げられています:
- 映画によりバイアスが生まれてしまい、喋るコンピュータ、3Dインターフェースなど実際には劣っているインターフェースに対する期待が高まってしまう。
- 登場人物が簡単にインターフェースを使いこなすのを見て、「使いこなせないのは自分が悪い」という意識が生まれてしまう(使いこなせない端末があるなら、インターフェースの改善を要求すべき)。
確かに音声によるインターフェースなど、本当は映画的な効果を狙っただけの仕組み(本当はボタンで操作した方が早いけれど、無言で操作されるとキットの出番が減ってしまう『ナイトライダー』とか)が大活躍する様を見せ付けられれば、「これは優れているんだ」と思い込んでしまいますよね。喋るクルマは分かり易過ぎる例ですが、意外と「映画で主人公が使いこなしているから」「テレビで見てカッコよかったから」という理由で採用してしまっているインターフェースというものがあるのかもしれません。
ただし映画の中だからできる、実験的なインターフェースというものもあるのかも。年末年始、映画や海外TV番組を見るときに「コレは使える」「コレって現実じゃ使えねー」などと注意してみても面白いのでは。
< 追記 >
おっと、偶然にもオルタナティブ・ブログの『海外速報部ログ』でも同じネタを扱ってました:
■ 映画に出てくる「ありえないユーザーインタフェース描写」トップ10 (海外速報部ログ)
そうそう、『JM』なんて映画もありましたねー。内容はともかく、あの設定は大好きでした。関係ありませんが、同じくキアヌ・リーブス主演で映画化されるということで、いま『スキャナー・ダークリー』読んでたりします。こちらの映画も楽しみ。
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