WEB2.0 の流行で、「集合知」という言葉と、それを利用しようというサイトが一躍有名になりました。けど実際に集合知活用に成功している例は少ない……ということで、Business Week に掲載されていたこんな記事はいかがでしょうか:
■ Tapping the Wisdom of the Crowd (BusinessWeek)
Wisdom of Crowd (集合知)もしくは Crowdsourcing (クラウドソーシング、WEBを通じて不特定多数の人々に特定の作業をしてもらうこと)で成功している5つのサイトを取り上げています。まとめてみると:
- A Swarm of Angels
「オープンソース映画製作」というキャッチフレーズの通り、映画製作に必要な資金集め・作成・流通の全てをクラウドソーシングしてしまおうというもの。1口25ポンドで参加できて、完成したフィルムはクリエイティブ・コモンズによる開かれた著作権を持つため、自由にダウンロード/改編が可能。 - CrowdSpirit
「電化製品クラウドソーシング」。電化製品のデザイン・資金集め・開発・テストをクラウドソーシングで。製品の販売によって得た利益は、プロジェクトの貢献度合いにより各ユーザーに配分される。 - Marketocracy
集合知でミューチュアルファンドの運用を行うというもの。ユーザーは仮想の株式市場で資産運用を行うことができ、その成績優秀者ベスト100の判断(m100という指数で示される)に連動した運用を行っている。 - CafePress
自分でデザインした商品(Tシャツやマグカップなど)を販売できるサイト。サイト上に自分の「店舗」を持ち、サイトから仕入れた無地の商品に自分のデザインをプリント、販売する。CafePressは発注管理と支払い処理を担当。 - Gannett の news-press.com
「読者参加型新聞」。読者に情報提供や調査に参加することを呼びかけている。実際にフロリダ州フォートメイヤーズで、調査費の高騰に歯止めをかける成果を挙げた。
その他、news-press が行っている取り組みについてはこちら:
A Newspaper Chain Sees Its Future, And It's Online and Hyper-Local (Washington Post)
興味深いのは5.でしょうか。「密告社会だ!」なんて批判も出そうですが、ヘタに「市民記者」などという形で素人を参加させるよりも、集合知として人々の力を活用する方がよっぽど「市民参加型新聞」だと思います。こちらも同様の発想ですね:
■ 産経新聞、連載企画案をブログで公開 ネットの声反映 (ITmedia News)
あと日本で対応するサイトというと、たのみこむが2.に近いと言えるでしょうか。また CafePress なんかは日本語のまとめサイトもありますし、日本でもマネする企業が現れるかも(もう現れているのかも?)。近いうちに「日本版集合知サイトベスト5」が作成できるかもしれませんね。
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