歴史的な公文書に自由に脚注を付け、それをシェアするというサービスが登場したそうです:
■ Footnote.com -- annotating public documents (Smart Mobs)
タイトルにある通り、紹介されているのは Footnote.com というサービス。残念ながら無料ではない(一部無料で閲覧できる資料あり)のですが、アメリカの国立公文書記録管理局(National Archives and Records Administration, NARA)と提携していて、450万件にもおよぶ公文書がWEB上で閲覧(画像として)できるようになっています(「今回初めてオンライン閲覧可能になったもの多数!」という触れ込みつき)。
部屋にいながらにしてベンジャミン・フランクリンの手紙が見れるだけでもすごいのですが、このサービスの真骨頂は「公文書に脚注が付けられる」という点。次の画面のように、画像の好きな部分を範囲選択して脚注を付けることができます:
この画面では"Minutes of the Provincial Council"という資料の6ページに登場する"James Harrison"という単語(人名)に対して情報を付与しようとしています。ここに例えば「これはジェームズ・ハリソンという人名である」という情報や「彼は当時~という役職にあり・・・」などといったフリーテキストが追加できるようになっています。で、後からこの文書を閲覧する人が人名や場所で検索できたり、より深い情報を知ることができるようになる・・・というわけです。
無料で使用できる範囲で遊んでみたのですが、操作しやすくて資料の検索も簡単。「みんなで情報を追加してシェアする」という WEB2.0 的な機能がなくても、十分魅力的なサービスではないでしょうか。イメージ的には、「公式資料(の画像)付きWikipedia」といった感じ。みんなで情報を追加・修正(内容に誤りのある脚注は削除・通報ができる)して、単なる画像アーカイブにプラスアルファの価値を加えようというアイデアです。ちなみに「マイページ」を作って関連する資料を集め、情報を追記するという使い方も可能なので、自分と同じ研究をしている誰かが作った「まとめページ」を参照できる(あるいは自分もその作業に参加する)という価値も生まれるでしょう。
ついでにこのサイト、自分が持っている資料の画像もアップロード可能とのこと。従って国立公文書記録管理局にとっては、国のどこかで眠っている隠れた重要文書を発見するきっかけになるかもしれませんし、ユーザーにとっては、自分だけでは分からない文書の価値・内容を一緒になって考えてくれる人々と知り合える可能性があります。参加するユーザー数が多くなれば、Wikipedia と同じパワーを持ったサイトになることもあり得るのではないでしょうか。
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