ITmedia を見ていてこんなニュースを発見。アメリカで「団塊の世代」向けに、50歳以上の人々から人気を集めているサイトを優先して表示する検索エンジンが登場したそうです:
■ 団塊向け検索エンジン、Monster.com創設者が立ち上げ (ITmedia News)
cRANKy というサイトで、記事によれば「すべての検索クエリーを50歳以上のレンズを通して見ることで、絞り込んだ検索結果を提供する」サービスなのだとか。実際に"travel"という言葉で検索してみると・・・
Google では Travelocity.com がトップ表示され、以下 Yahoo! Travel、Expedia.com と続きます。一方 cRANKy では・・・
アメリカ国務省のサイトがトップ、以下 Lonely Planet、Cheap Tickets と続いています。さらに cRANKy では、"Eons Tip"としてサイトを運営する ENOS からのコメントも表示されていて、各リンク先に対する安心度を高める工夫がされています。
こういった「年齢特化型」という発想は新しいものではないですし、日本でも「団塊の世代向け」という形で高齢者をターゲットとしたサービスが増えてきていますよね。まだ確実に成功と呼べるサイトは少ないと思いますが、こうしたサイトが増えることで、市場やユーザーの細分化というものが起きていくのかもしれません。そうなると、必然的に考えなければならないのは「特化型SEO」、つまりターゲットが使っているサイトに最適化したSEOを行うことでしょう。
上記の例で言うと、Travelocity は cRANKy のトップページには表示されていません(ちなみにcRANKy で1ページ上に表示されるサイトは4つまで)。Sponsored link としての表示もなし。第25位にやっと出てくるのですが、これではほとんどアクセスが見込めない状況と言えるでしょう。現在でも Google、Yahoo! のどちらを重視するか(ターゲットの間でどちらがメジャーなのか)という程度の検討は常識だと思いますが、検索サイトやSNSなどポータル的な役割を果たすサービスの細分化が進めば、「どのサイトで上位表示されることを目標にして最適化するか」がさらに重要で解決困難な問題になりそうです。
ところで、以下の画面は先ほどアクセスした際の cRANKy のトップ画面なのですが、"Top 10 searches today" の第1位になっているのは・・・
やっぱりあの単語ですか。その辺は年齢の関係がないようで。けどそれ以外の単語は年相応?のように感じられますし、「団塊の世代が興味を持っているテーマ」を観測するツールになるかもしれませんね。集めたデータを Enos がマーケティングデータとして販売するようになる、という可能性もあるかも。
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