週末なので軽いネタで。誰もが必要、というツールではないのですが、覚えておくとどこかで使えるツールかもしれません:
■ ColorBrewer - Selecting Good Color Schemes for Maps
サブタイトルから分かる通り、地図を色分けする際の色使いを決めてくれるツールです。百聞は一見にしかず、実際に動かしてみるとこんな感じ:
1. 何色で色分けするか(すなわちデータが何種類にグルーピングされているか)を決める。
2. データのグルーピングがどんな性質をもっているかを、以下の3つの中から選ぶ:
- Sequential (順次的) ~ 「大/中/小」や「高/中/低」など、データの単位は1つだが、その「おおきさ」の違いを示す場合
- Diverging (発散的) ~ 「海/平野/山」など、相反する要素の移り変わりを示す場合
- Qualitative (定性的) ~ 「農地/住宅地/工業用地」など、まったく異なる性質の集まりを示す場合
3. サンプルが表示されるので、好みの色の組み合わせを選ぶ。
4. 選択したサンプルで地図が作成される(ちなみにアメリカ南東部、メンフィス周辺地域)。
5. 作成された地図に使用されている色は、16進法表記などのデータに変換可能。
6. また選択した色使いがどのような性質を持っているか、アイコンで確認できる。表示されるのは以下の通り:
- 目のアイコン ~ 色覚障害者に優しい色使いかどうか
- 2枚の紙のアイコン ~ コピーしても見やすいかどうか
- プロジェクタのアイコン ~ プロジェクタで投影しても見やすいかどうか
- ラップトップPCのアイコン ~ ラップトップPCのLCDで見やすいかどうか
- モニタのアイコン ~ CRTの画面で見やすいかどうか
- 本のアイコン ~ カラー印刷しても見やすいかどうか
という具合。以下のスクリーンショットは、実際に作ってみたサンプルです:
5色による色分けで、タイプは"diverging"を選択しました。イメージとしては、森林地域から工業地域への変化、といったところ。この色使いだと、「色覚障害者に優しいかどうか」「コピーに優しいかどうか」がNGになっていますね。ちなみにこのスクリーンショットでは境界線、都市名、道路の全てを表示していますが、それぞれ非表示にさせることもできます。
このツール、地図に限らず、データを図示する際に色使いを決める参考になるのではないでしょうか。また色使いによって、グルーピングされた集団の間にどんな関係があるのか(ある1つのパラメータの強弱のみが異なっているのか、はたまた各集団が全く異なる性質を持っているのか)が一目で理解できるようになるということがよく分かりますね。たまにはこんなツールで「色」の持つ力について考えてみるのも良いのでは。
コメント