中国で、オンラインゲームの時間制限が始まるそうです:
■ China seeks to 'limit game hours' (BBC News)
中国に拠点を置くオンラインゲーム企業に対し、「中毒防止ソフト」を3ヶ月以内に組み込むように中国政府が要請しているとのこと。そのソフトがどんなものかというと、18歳以下のプレーヤーが1日に連続して3時間以上のプレイをした場合、3時間を超えてプレイした中で得たスコアに制限をかけるそうです(3~5時間の場合はスコアが半分、5時間以上はゼロになるらしい)。さらに5時間を超えると、画面上に"unhealthy game time"(不健康なゲーム時間です)と表示されるというもの。すぐにシャットダウンされるわけではなさそうですが、スコアや経験値の獲得が目的のゲームであれば効果があるかも(当然 Second Life 型だと意味なさそう)。
それじゃ海外のオンラインゲームはどうなるのと言うと、今のところ中国政府の動きはないようです。しかし同様の制限を求められた場合には、中国マーケットの重要性を鑑みて、求めに応じる企業が出るかもしれない -- と観測されています。確かに中国の場合には、政府が怒ってアクセスを一律シャットダウン!とかあり得ますからね(cf. Google)。
中国政府はもともとネットの自由接続に好意的ではありませんが、ゲームのプレイ時間制限に乗り出したのは、オンラインゲームにはまる人々が急増しているという背景があるそうです。なんでも18歳以下の13%が「オンラインゲーム中毒」と推定されているのだとか。確か韓国かどこかで、ゲームを長時間プレイして死んでしまったという例がありましたが、たかがゲームと言っていられないほど深刻化しているのかもしれません。
ただし極端な長時間プレイは別として、オンラインゲームが何らかの社会問題をもたらすと確実に言い切れるものではありません。一方で、ゲームが持つプラスの側面を指摘する研究も数多くあります(賛否両論あるものの、こんな本も出ていますし)。またオンラインゲームが現実世界の経済とリンクする(ゲーム内広告や仮想通貨など)現象も出ていますし、一律でプレイ時間を制限する弊害もどこかに出てくるでしょう。この「実験」がどのような結末を迎えるか、ウォッチしてみる価値はありそうだなと思います。
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