先日こんな話があったばかりですが、週末版ということでご容赦を。最近はクチコミマーケティングなんて言葉が生まれているわけですが、思わず誰かに伝えたくなってしまうニュースってありますよね。そもそもブログ自体が「これを誰かに話したい!」というモチベーションから生まれてくるものですが、それじゃどんな内容を人々は話題にしたがるのか、という話:
■ The Nine Best Story Lines for Marketing (How to Change the World)
最近 Truemors で一騒動あった、Guy Kawasaki 氏のブログ。内容は"Beyond Buzz"という本の紹介で、そのエッセンスをまとめて"the top nine types of stories that people like to talk about"(人々が話したくなるストーリー・ベスト9)としてまとめたもの。早速その9つはというと:
1. 願望や信念
サンのスコット・マクネリが「デジタルディバイドを解消しよう」と訴えていることや、パタゴニア創業者のイヴォン・シュイナードが環境問題を重視する姿勢を示していることなど、願望や信念に関するトピック。
2. ダビデ対ゴリアテ
旧約聖書の話から。弱者が強者を倒すというストーリー。日本でも「判官贔屓」なんて言葉がありますが、アンチ巨人やベンチャー企業に対する応援など、様々な例がありますよね。
3. 迫り来る大変革
何かが大きく変わろうとしている。危険を回避する/チャンスを見つけるために、その情報を早く知りたい……という心境。この手の話の例が知りたければ、書店でビジネス書コーナーに行けばOKでしょう。「○○革命がやってくる!」「○○時代を乗り切る!」的なタイトルの本がいくらでも見つかります(特に日本経済論系がオススメ)。
4. 逆張り論
一般常識や社会通念と逆の意見。例えば「WEB2.0はすばらしい!」的な意見がどっと現れたときに、「WEB2.0なんて使えねー!」的な意見が出ると「おっ」と興味を惹かれてしまう、といった感じ。これもよく経済予測なんかで「もうすぐ○○は終わる!」的な発言をしている人がいますね(まさに逆張り)。もしくは「みんな『甘いものを食べると太る』って思ってるだろうけど、実は甘いものを食べた方がやせるんだよ」なんて話を知れば、思わず誰かに伝えたくなります(そんな話はありませんが)。
5. 不安
「3. 迫り来る大変革」に似ているが、もっと漠然とした不安(3. は次第に現れてきているトレンドへの関心)。恐れ、不透明感、疑念(略してFUD: Fear, Uncertainty, Doubt)などを感じると、人は誰かと話をしたくなるもの。
6. 個人的な話
人は「個人的な話」を聞くのが好き。例えば、有名な「スティーブ・ジョブスのスタンフォード大学でのスピーチ」も、感動を呼んだ理由の1つは「彼の個人的なストーリー」が含まれていたから。系統は違いますが、新聞の人生相談コーナーや、ワイドショーの「視聴者体験談」コーナーなどに思わず目がいってしまうのも、同じ理由かもしれません。
7. ハウツーもの
まさにこのエントリですね。また最近のライフハック流行りのように、ハウツーやアドバイスは誰かに披露したくなってしまうもの。
8. セレブな話
映画スターやハリウッドのセレブなどの話をしたくなる心境。高級車の話や、街で話題のスポット(いまなら東京ミッドタウン?)の話をしたくなるのも同じ心境でしょうか。
9. 期間限定イベント
最近はお菓子やビールでも「夏だけ限定!」な商品が数多くありますが、期間限定なモノやイベントに関する情報は誰かに教えたくなるもの。
……とこんな感じ。確かにこの種の話は、自分でも多くしているような気がします。特に7.は「○○するための○ヵ条」的記事が多い/それにアクセスする人も多いという現象が、その効力を示していると思います(ただし「箇条書きは心に残らない」という指摘もありますが)。
とりあえず"Beyond Buzz"をアマゾンで注文してみたので、読んだらこの話をつづけるかも。ちなみに米 Amazon.com のページでは、著者の Lois Kelly さんが記事を投稿されているので、興味のある方はこちらも合わせてどうぞ。
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