アメリカにいる会社内の知人から、以下の記事を教えてもらいました(Oさん、ありがとうございます!)。参考になる内容なので、ちょっとご紹介:
■ Web 2.0 and the CEO (CNET News.com)
米 Forrester Research のCEO、George Colony 氏が寄稿したコラム。「最近、大企業のCEOと話をしていると、WEB2.0が話題になることが多い。そんな時、私は彼らにこんな話をする」という書き出しで始まっています。どんな話をしているのか、簡単にまとめてみると:
1. 顧客との会話ができているか?
企業の一方的な都合で商品/サービス開発を行っている事例がまだまだ多い。企業が力を持つ時代は終わり、顧客が力を持つ時代となった。彼らと双方向のコミュニケーションを行わなければならない。
2. 利用者を考えたWEBデザインがされているか?
Forrester Research が実施した調査によれば、大企業のWEBサイト1,000個のうち、合格点に達していたのは3%だけだった。シナリオデザインやペルソナなどの手法を使い、利用者中心のWEBデザインを行わなければならない。
3. あなたの顧客は、あなたの商品/サービスを他人に薦めるか?
『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』という本で提唱されている手法。顧客に「あなたはこの商品/サービスを友人や同僚に薦めますか?」と尋ねてみよう。顧客が力を持つ時代には、顧客満足度が何よりも重要だ。
4. 顧客からロイヤルティを得ているか?
かつて人々は、同じ企業から同じ商品/サービスを買い続けたものだった。しかし現代では、ちょっとしたミスで顧客は離れていく。顧客からのロイヤルティを維持するために、日々絶え間ない努力を続けなければならない。
5. デジタルの破壊力を理解しているか?
どんなに規制されても、デジタルの情報はネット上を自由に、法を無視して広がるものだ。人々は欲しいものを手にする -- その現実を直視して、時代遅れとなったビジネスモデルに固執することのないように。
6. マーケティング部門と技術部門の融合を目指しているか?
顧客を理解し、彼らとの新しい関係を描くことができるのはマーケティング部門だ。一方、それを実現できるのは技術/IT部門である。従って両者が共同で働くことが、WEB2.0戦略を遂行する唯一の道であり、両者を取り持つことができるのはCEOを置いて他にない。
……と、こんな感じ。それぞれの議論については各所で繰り返されていますが、Forrester のCEOが選んだ「いまCEOが『WEB2.0』というキーワードから考えるべきポイント」といったところでしょうか。
いつの時代だって商売は顧客の方を見て行わなければならないはずですが、実際そういう意識で働いてる人って、特に大企業の中には少ないと思います。日々の業務の中で、自社の商品/サービスを実際に使っている人々と面と向かって話し合うことなどほとんどないのですから、それも当然でしょう。それが可能なはずの小売業だって、信じられないくらい機能不全に陥っているところがあるし。
なわけで企業が旧態依然としたままなのに、一般の人々の情報発信力だけが急激に増してしまっているのがWEB2.0という状況なのでしょう。両者の進化のペースが一緒であれば何の問題もなかったはずですが、特にテクノロジー系でない業界などには「生きた化石」と呼ぶべき例がゴロゴロしてますよね。Forrester という米国の企業でさえも、6つのアドバイスのうち1~4までを「顧客に向き合え!」に費やしているのですから、日本企業はいったいどんな状況やら。
その上皮相的な技術論だけが先走りしているものですから、とりあえずブログとSNSと(なぜか)動画コンテンツを自社サイトに取り入れときゃいいんだろ、的な対応も多いわけで……っとこれ以上は脱線してしまうので止めておきますが、その意味で George Colony 氏が上記のような点を「WEB2.0時代にCEOが考えるべきこと」として挙げている意味は大きいのではないでしょうか。
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