特に調べてないので、日本にも同様のサービスがあるかもしれませんが(っていうか、他の分野で似たような話があるし)。「素晴らしいソフトのアイデアがあるんだけど、スキルや資金がない……」「素晴らしいソフトのアイデアがあるんだけど、他人にウケるか分からない……」などという悩みを、いっぺんに解決するサービス:
■ microPledge: Get software made
Springwise の記事で紹介されていました。仕組みはこんな感じ:
- 誰かがソフトウェアのアイデアを投稿する。
- そのアイデアを気に入った人は、「~ドルを資金提供します」という約束(pledge)を行う。
- 開発者は、気に入ったアイデアに開発の申し出を行うことができる(開発者自身が自分のアイデアに資金提供してもらうために、アイデアを投稿することもOK)。その際、見積額を提示する。
- アイデアには応募期間が定められていて、それが過ぎると、資金提供の約束をした人々による投票により、開発を申し出た人々の中から1名が選ばれる。
- 開発者として選ばれた人はソフトを開発し、約束された資金を手にする。資金提供を申し出ていた人々は、開発されたソフトをダウンロードする。
まだ完全に理解していないのですが、ステップ2で「~ドル払います」と約束した時点で、microPledge にいったんお金が流れるようです。で、キチンと開発されて初めて開発者にお金が動き、何らかの約束違反があれば資金提供者に返金されると。言うなれば、オークションのエスクローサービスみたいな感じでしょうか(ただし開発者にお金が直接振り込まれる"donation-only"プロジェクトも設置可能とのこと)。ちなみに将来的には、この金銭のやり取りに手数料(集まった資金の○%、みたいな)を課すことで microPledge が儲けるというビジネスモデルにするそうです。
「こんなソフトが欲しいなぁ、けどプログラムなんて組めないし」という人にとっては、microPledge は誰かにアイデアの具現化をお願いできる場となるわけですね。一方の開発者にとっては、microPledge は資金を得る場となるだけでなく、pledge の数によって「このアイデアがどれくらいウケる可能性があるか」を探れる場となると。さらにそれぞれのアイデアには個別のページ(Project)が与えられ、そこでコメントをやり取りすることもできますから、曖昧な状態のアイデアを具体化する/軌道修正するのにも役立ちそうです。
例えば以下は、"Stock Analyser"というウェブベースの株価分析ツールを作ろう、というプロジェクト。これは開発者の方自身が投稿されたアイデアで、資金提供を呼びかけています。コメント欄で"rnc000"というユーザーが「データはどこから取得するの?」「なぜ Ruby on Rails で開発するの?」などといった質問を行っていて、開発者の方が「Yahoo! のAPIを使うよ」「Ruby on Rails が好きで、よく理解しているからだよ」などと回答されています:
"Project progress"という部分で進捗が示されていて、バーがすべて塗りつぶされたら(開発が完了したら)、その横にある"Downloads"というボタンからダウンロードが可能になるようです。
特にWEBアプリケーションの場合、「ソフトはタダで提供してもらって当然」のような姿勢が当たり前となっています。しかし、「少額でもいいから、開発にかかった労力に見返りが欲しい」「少額なら出すから、欲しいソフトがあるんだけど」といったニーズは存在し続けるでしょう。また microPledge にもインドからの参加者が見られますが、人件費の安い国々にとっては、こうした場は良い資金集めの場となるはずです。さらにマーケティング担当者にとっては、ユーザーが何を求めているかを調べることが可能……というわけで、うまくいけば「一石三鳥」のサービスとなるのではないでしょうか。
ちなみに実際に microPledge の仕組みを活用する前に、ダミーの投稿でテストできるサンドボックス(sandbox.micropledge.com)も用意されていますので、ご興味のある方は体験してみて下さい。
日本語のサービスではないところが残念ですね。
日本にも同様のサービスは存在しないのでしょうか。
投稿情報: convine | 2007/09/29 13:12
convine さん、遅くなってしまいましたが、コメントありがとうございます。
あれから同様のサービスがないかな、と探しているのですが、まだ日本語で同様のものは発見できていません。もしどこかで見つけられましたら、ぜひ教えて下さい!
投稿情報: アキヒト | 2007/10/03 16:14