『本を売る現場でなにが起こっているのか!?』という本を読みました、というエントリをシロクマ日報でも書いたのですが、そこで触れなかったことを1つ。
奇しくも昨日(9月17日)の日経流通新聞では、1面で書店経営が特集されていました。しかしそこでも焦点が当てられていたのは、流通やPOSデータの活用といった側面。
と書いてしまったのですが、実は新しいビジネスモデルを探る事例もいくつか紹介されています。その中の1つに、『本を売る現場で~』の中でもインタビューが掲載されていた、広島の「フタバ図書」が取り上げられていました:
東京で買った本を、広島で売ってください――。フタバ図書(広島市)は3月、JR広島駅構内に中古書店を開いた。
狙いはずばり出張族。「客が東京や大阪で最新のビジネス書を買い、移動中に読み切って当店で売る」(世良茂雄専務)。帰るときは読み捨ての感覚で低価格の中古本を買ってもらう。
読みは当たり、同社の他の中古書店と比べても客数は2倍超に達する。
とのこと。確かに出張する時、出発前の駅や空港で面白そうな本を買って乗り込む ― ということはありますよね。で、「思ったよりつまらなかったな」となることも多いので、出張先で売れれば持ち帰る手間も無くなり、一石二鳥でしょう。しかも穿った見方をすれば、東京からの出張族が「(つまらなくても)思わず手に取ってしまう本」を運んできてくれるわけで、「売れる古書」が手に入りやすいモデルなのかも……「駅ナカに古書店」というのは、意外に効果的な組み合わせかもしれません。
ということで、どんな場所でも通用するモデルというわけではありませんが、書店にもこんな新しい工夫にどんどん挑戦して欲しいですね。また「幅広い消費者に対応しようとするのではなく、一部の行動にピンポイントに絞って考えてしまう」という点で、他の業界でも参考になるアイデアではないでしょうか。
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