昨日の日経MJに、「DSソフト『趣味・教養』3倍に」という小さな記事が載っていました。ああ、やっぱりDSはそっち系のソフトが増えるんだなーと思っていたら、これはスクウェア・エニックスが打ち出した方針とのこと。
スクウェア・エニックスは出版社などと組み、任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」用の趣味・教養ソフトを拡充する。同分野のソフトは今年7月から旅行関連など5作品を発売しているが、グルメ関連2作品など年内に10作品を新たに発売。主力のロールプレイングゲーム(RPG)などと比べて売れ行きが安定しているため、今後も拡充してゆく。
(中略)
趣味・教養ソフトは「ドラゴンクエスト」などのRPGに比べて開発費も低く、開発にかかる期間も短い。ソフトの種類を増やすことで同社のDS向けソフトの認知度を高めていく。
スクエニといったらやっぱりRPG、というイメージなのですが、「安定した売上が見込めて」「開発コストが小さく」「短期間で開発できる」趣味・教養ソフトはやっぱり魅力的なのですね。一方の出版業界にとっても、DSソフトはいわゆる「出版不況」の打開策になりそうだし、しかも既に持っているコンテンツを応用できるわけですから、やっぱり魅力的だと。これからますます「ゲーム業界×出版業界」というコラボが当然になるのかもしれません。
ちなみに関連ニュース:
- スクウェア・エニックスと講談社、「食」を楽しむ大人のためのニンテンドーDS用ソフトを発売 (日経プレスリリース)
- スクウェア・エニックス、ニンテンドーDS対応ソフト「ワインのはじめかたDS」を発売 (日経プレスリリース)
あと、これは出版社と組んだものではないですが:
- スクウェア・エニックス、自宅でヨガレッスンできるDS用ソフトを発売 (マイコミジャーナル)
なんてのもありました。これだとティップネスの店頭(フィットネススクール)で売る、とかいう経路も考えられるんでしょうね。
一方で出版社と組んだ場合、開発したソフトが主に流れる販路が書店になった……としたら、出版業界が主導権を握って、ゲーム業界は「デジタル版印刷屋」のような地位に追いやられる可能性もあると思います。極端かもしれませんが、出版社と組んだ趣味・教養ソフトが大ヒットしたら、出版社は「もっと取り分をよこせ、さもないと他のゲーム会社に乗り換えるぞ(高度な開発力なんて必要ないんだから)。しかもお前らに『本』を売るノウハウなんて無いだろ」と言い出せるわけですし。仮に「趣味・教養」が「RPG」と並ぶ収益の柱になったとしても、スクエニ的に不安な状況は残るのでは。
コメント