日経MJで、女優の壇ふみさんがコラム「ありがとうございません」を書かれています。いつだったか日付は思い出せないのですが、最近こんな話がありました:
長年愛用していた化粧品が、突然生産中止になってしまった。自分の肌に合うものだったので、代わりとなるものがなかなか見つからない。実は別のお気に入り品も生産中止になったばかり。自分と一緒に添い遂げてくれる化粧品ってないものなのだろうか ――
僕は男なので、「自分の体質に合った化粧品が突然なくなってしまう辛さ」というものは実感できないのですが、確かに気に入っていた製品が生産中止になってしまうと大変ですよね。僕の場合は文房具でその傾向が強いのですが、愛用品の代替となるものって、探したってすぐに見つかるものではありません。そりゃメーカーだって慈善団体ではないから、利益のあがらない製品を打ち切ることを理解できるのですが、もうちょっとファンを大切にしてくれてもいいのになぁと思います。
で、昨日 New York Times を読んでいたら、これに関連する話が出てきました:
■ When Beauty Is More Than a Click Deep (New York Times)
最近の米国では、美容品を扱う通販サイトが好調ですよという記事。様々なサイトの取り組みが紹介されているのですが、Lancôme-usa.com の話にこんな部分があります:
She said one of the most successful innovations of the Web site is a remake of the Discontinued Items section, which now suggests replacements for the many products that are shelved during a given year. “One of the biggest customer complaints across the industry is that we’re all constantly discontinuing items,” she said. “Now, customers know when something’s gone, and they can get recommended replacements.”
ランコムのサイトで最も成功したイノベーションは、生産中止品の代替品を推薦してくれるという「生産中止アイテムコーナー」であると彼女(※ランコムUSA・Eコマースチームのリーダー、Sarah Williams さん)は述べた。「美容業界の中で、お客様から受ける最大のクレームの1つが生産中止についてです。このコーナーがあれば、何かが生産中止になった場合でも、お客様は代替品の情報を得ることができます。」
なるほど、代替品のレコメンデーション機能ですか。ちなみに実物へのリンクはこちら:
そして隣にあるのが実際に代替品を表示させたところ。"Since You Liked"(こちらがお好きだったのでしたら……)にあるのが生産中止になったもので、"Now You'll Love"(こちらも気に入られるでしょう)がレコメンドされたもの。単に「これが代替だ」と言うだけでなく、様々な情報が表示されていて、ここからすぐに購入できるようになっていますね。またサーチ機能も充実していて、オマケ的に開発したセクションでないことが分かります。
こうしたサービス、他の分野でもやってくれないものでしょうか。メーカーがオフィシャルに提供するものでも、ユーザーが勝手に作り出すものでもかまいませんが、ある生産中止品を入力すると「これが一番近いです」って表示してくれるサイト。絶版になった本がどうしても手に入らないので、近い内容の本を探したい……いうような派生形も可能かもしれません。
ただし他のメーカーにまでまたがって代替品を探せるような「本当の意味でユーザーのことを考えたサービス」が生まれてしまうと、メーカーにとっては困る存在になってしまうわけですよね。やっぱりここは、CGM的に発展するサイトを期待するしかないのかなぁ。
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