最近、「格差」という言葉が気になります。所得格差、情報格差、世代格差などなど。この辺までならいいのですが、最近の新聞やテレビニュースを見ていると、ちょっと濫用気味じゃないかなぁと感じます。
「格差」は「順位」、あるいは「差」にネガティブなニュアンスを加えた言葉ではないでしょうか。「所得格差」と言った時点で、単に「所得に差がある」という事実を伝えるだけでなく、「その状況は悪いことだ」という響きがありますよね。だから社会問題を指すキーワードに使われるのでしょうが、逆にそれだけ使うのに気をつけなければいけない言葉のはずです。
しかし実際は、というと。単に「競争の結果生じた差」という場合にも、格差という単語が使われていることが多くないですか?それって競争なんだから当然でしょ、みたいな。しかし「格差」という言葉が(意図的にかどうかは別にして)チョイスされることで、読者に無意識のうちに「これって問題だよなぁ」という感覚を抱かせてしまう……そんな危険性を感じます。
もちろん、「そもそもスタートラインが違う」「スタートラインにすら立てない」「競争で不正が行われている」「競争で負けたら過酷なバツが待っている」という状況であれば、それは解決されなければなりません。しかしそれは、「機会の不平等」「談合」「不正」「セイフティーネット」などの言葉で語られるべきでしょう。安易に「格差」を使うべきではありません。
新聞などで「こんなに差がある!」というデータを見せられて、それを「格差」と呼ばれてしまうと、なかなか先入観から抜け出すのは難しいのですが。本当に問題のある差なのか、はたまた厳しい言葉で言えば「敗者の甘え」なのかどうか。きちんと見極める必要があるのではないでしょうか。
そのとおりですね。
あなたの文章は読みやすいので助かります。
投稿情報: おっさん | 2007/11/27 14:49
所得格差、情報格差、世代格差
どれのことを指しているのか、専門性がないと…
投稿情報: shinkai | 2007/11/27 18:13
> おっさんさん
ありがとうございます。
普段は分かり辛いと言われているので(笑)お褒めいただけるように頑張ります。
> shinkai さん
コメントありがとうございます。
すみません、ちょっと分かりにくい文章になってしまったかもしれませんが、「所得格差、情報格差、世代格差ぐらいまでは分かるけど、それ以外で最近『格差』が濫用されていないか」という意味で書いたエントリでした。なので、「格差」が使われている状況全てが間違っている、という意味ではありません。
いくつか具体的に「濫用だなぁ」という事例を挙げようかとも思ったのですが……個々の事例を批判することが目的ではないので、控えさせていただきました。こちらもご理解いただければ、と思います。
投稿情報: アキヒト | 2007/11/27 18:43
わざわざコメントありがとうございます!
>「所得格差、情報格差、世代格差ぐらいまでは分かるけど、それ以外で最近『格差』が濫用されていないか」という意味で書いたエントリでした。
こちらの読解力不足でした。失礼しました。
実はアクセス解析で半年前くらいからリンク元
としてアクセスが流れてきていたのでチェックしていたのです。
ライブドアにニュースにポストされていましたよ。
http://news.livedoor.com/article/detail/3404737/
投稿情報: shinkai | 2007/11/27 19:04
shinkai さん、こちらこそありがとうございます!
いえ、shinkai さんのサイトも拝見しておりましたよ。先日のイベントではどこかですれ違っていたかもしれませんね……。
今後ともよろしくお願い致します。
投稿情報: アキヒト | 2007/11/28 06:47
コメントのお礼に代えて
マスコミと格差に関する質問を受けた話
http://www.h-yamaguchi.net/2007/12/post_b6ad.html
300行以上の超長文です。
投稿情報: shinkai | 2007/12/17 11:55
shinkai さん、コメントありがとうございます。
山口さんのエントリ、完全には咀嚼できていないと思いますが、自分の考えに近いと感じました。
特に、
> 「格差」はいまや流行語となり、何に対しても「格差」ということばを使えば注目を集められる状況になった。
という点には強く賛同しますね。本来「格差」ではない状況においても、ウケ狙いでこの言葉を持ってくるという例は多々あるのでは、と思います。
投稿情報: アキヒト | 2007/12/22 19:16