なんだかレニー・クラビッツみたいですが、こんな記事が話題を呼んでいるようです:
■ The Death of E-Mail (Slate)
インスタントメッセージ(IM)やSNS、携帯電話の流行によって、いわゆる「Eメール」(PCの前に座ってメールボックスを開く、というイメージですね)によるコミュニケーションというものが若者の間では時代遅れになっているのではないか――メールは「死んだ」のではないか、という内容。同じような話、日本では少し前から言われていたことのように感じます。
しかしこの記事では、単に「メールというツールが古くなった」というのではなく、そもそも「メール的なコミュニケーション方法が古くなっているのではないか」という視点が中心となっています。例えば記事内に「友だちを呼んでパーティーを開く」というケースが登場するのですが、新旧の世代でこんな違いが:
【古い世代】
- メールを立ち上げる
- 呼ぶ人をピックアップする
- 彼らに「パーティーやらない?」というメールを投げる
- 返事を待ち、何回かメールをやり取りする
【新しい世代】
- Twitter、もしくは Facebook の status update で「パーティーやるよ!」と宣言する
- それをフォローしている「友人」たちが読み、やってくる
- 必要なら、ケータイのIMですぐに(instant)&いつでも(constant)連絡が取れる
こんな感じ。メールでデジタル上のコミュニケーションを始めた世代は、「メールって便利」「ありがたい」と感じてしまうけど、メール以外に様々な選択肢のある世代は、もう短所の多いメールだけを使うなんてことは考えられないんだよ……という話です。ああ、僕は「メールの死」というと、「SNSのメッセージ機能などがメールの代理になる」的なイメージしか持っていなかったんですが、既に「メール的なコミュニケーション方法」というもの自体が時代遅れなのですね。
しかし SNS や Twitter で「友人」たちがブロードキャストする情報をフォローしていないといけない(ネットに接続できる状態になったら、まずは Facebook を立ち上げる!)、なんてコミュニケーションもあまり健全でないような気もします。それ自体が古い世代の考えなのかもしれないけど。デジタルなコミュニケーションツールの良さは、非同期コミュニケーションができるところにあると思っていたのですが、「非同期だから都合のよい時間にメッセージを受け取ることができる」という安心感より「都合のよい時間にできるのだから必ず相手に同期しなければ」という脅迫感の方が強くなってしまわないのでしょうか。
ともあれ、「メールも使えないオジサン」を笑っていた僕も、「メールしか使ってないオジサン」と笑われる危機が迫っているようです。「なんか間違ってるんじゃないのかなぁ」と理屈をこねるだけでなく、積極的に体験してみるようにしなければ。
どうなんでしょう。メールは「相手を選ぶ」コミュニケーションですが、新しいやり方は「相手が選ぶ」コミュニケーションということですよね。それは新旧というよりもまったく異なるもののような気がします。
投稿情報: ProjectK | 2007/11/16 09:22
日本ではどちらかというと、世間一般では携帯メールをIM的に利用していることが多いような気がします。
(メールなのに、即時レスを求められる状況)
=「メール的なコミュニケーション方法」というもの自体が時代遅れ
ここでいう新しい方法というのは、ごく一部の先進的な人しか利用していないと思いますし、恐らく今後も変わりないと思います。(少なくとも自分の普段生活している範囲内では。もっと概念や操作方法が平易でないと、新しいだけではついていけません)
日本では当分の間、携帯電話がコミュニケーションツールとして利用されることが考えられるので、
送信という操作をしなくても互いに同期できていると感じられるサービスを携帯電話の機能の中に盛り込めれば、メールと置き換わるのではないかと考えます。
(まさにIM的)
ドコモには「プッシュトーク」というサービスがそれに近い使いかたができるかもしれないが、音声通話なのが、いまいち使い勝手が悪いものなのかもしれないですね。
投稿情報: yakinegi | 2007/11/16 12:47
ProjectK さん、コメントありがとうございます。
そうですね、仰る通り全く違うもの、あるいは補完しあうものだと思います。「メール型コミュニケーション」に慣れた人は(Eメールを日常生活で使わない人だって多いように)今後もそれを続けるのでしょう。なので「死」という言葉はウケ狙いという面もあると思いますが、これまでとは異質なコミュニケーション方法が(若者の間で)主流になりつつある、ということを指摘した記事だと思って読みました。
投稿情報: アキヒト | 2007/11/17 15:03
yakinegi さん、コメントありがとうございます。
> 日本ではどちらかというと、世間一般では携帯メール
> をIM的に利用していることが多いような気がします。
> (メールなのに、即時レスを求められる状況)
仰る通りだと思います。僕が本文で「メール型コミュニケーション」を「PCに向かってメールボックスを開き……」と書いたのも、「PCメール」と「携帯メール」で大きな差があるということを示すためでした。
その意味で、Twitter や SNS的なものが若い人の間に広まれば(既にモバゲーなどはありますが)、ここで描かれている状況が日本でも一般的になるのかなと感じています。あるいは日本では、別の形で「メールの死」が進むのかもしれませんが。プッシュトークは残念ながら鳴かず飛ばずのようですが、新たなコミュニケーションツールが流行する可能性はあるのではないでしょうか。
投稿情報: アキヒト | 2007/11/17 15:22