シロクマ日報で「招待状がないと商品が買えないショッピングサイト」なるものを取り上げたのですが、ビューティフルピープルのみならず、続々「エリート」向けSNSが登場しているそうです:
■ Social Networking with the Elite (BusinessWeek)
米国では Facebook や MySpace など、利用者を特定しないタイプのSNSは招待不要(登録すれば誰でも入れる)が普通になっていますが、その反動からか厳しい参加資格を設定するSNSも登場しているとのこと。前述のビューティフルピープル(Beautiful People)はその名の通り、美男美女であることが参加の条件ですが、他にもこんなものがあるそうです:
ロイタースペース。その名の通り、通信社のロイターが開設しているサイトです。ファンドマネージャーやトレーダーなど、金融業界関係者のみが参加可能。メンバーになると、ロイターを始めとしたニュースサイトから、金融に関するニュースをピックアップしたフィードを配信してくれるそうです。また業界の特性から(?)、プロフィールにプライバシーコントロールが設定できるようになっているとのこと。
2. INmobile.org
なんだか「家政婦は見た!」みたいなトップ画像ですが。こちらも「モバイル」という名前がヒントになるのですが、無線通信業界(もしくはそれに近い業界)のエグゼクティブのみが参加できるSNSだそうです。現在900名以上が参加しており、Verizon Wireless や Nokia の重役も含まれているとのこと。
これはまた名前といい、トップ画像といい悪趣味(失礼)なサイトですが……。参加者全員の総意で選ばれる「選出委員会」によって選ばれた人のみしかメンバーになることができない、というSNS。今月オープンしたのですが、7,000名の応募者の中から100名が審査を突破し、メンバーとなっているそうです。会費は1ヶ月60ドルで、メンバーは社交スペース「ラウンジ」用のプロフィールと、ビジネススペース「ボードルーム(役員室)」用のプロフィールの2つを持つことが可能。
……ということで、最後の「ダイヤモンド・ラウンジ」以外は業界団体SNSといった感じですが。エリートだセレブだ、ということよりも、より自分たちに近い人々で構成されたオンラインコミュニティが欲しい、というニーズを狙ってのことかもしれません。運営側にとっても、メンバーが均質化されていれば、より望みのものを提供しやすいのでしょう。「選ばれた人だけが参加しているのですよ」という雰囲気を出せば、メンバーの心の中に「逸脱した行動を取ってはならない」という内発的動機づけを育てることもできるかもしれません。
ということで、地域や職業で特化型SNSを作るのもいいかもしれませんが、より同質性の高いところをすくい取るというのも狙い目かも。もちろん苦労してすくい取った人々がお金を使いそうもないタイプだと意味がありませんから、結果的に「エリートSNS」っぽいものになっていくのでしょうが。
やっぱり社交界って存在するし、そこでしかやり取りされない情報ってありますよね。ある意味情報断絶の代表みたいなものなのだけれど、これがそれをブレークスルーできるかって言うとどうなんでしょうね。
投稿情報: 赤枕十庵 | 2007/11/17 22:35
赤枕十庵さん、遅くなりましたがコメントありがとうございます。
> やっぱり社交界って存在するし、そこでしかやり取りされない情報ってありますよね。
これまでそのような世界はオフラインに存在するものだたのが、オンラインでも一般化してきたということなのでしょうね。結局閉じた世界、ということには変わりませんが……。
投稿情報: アキヒト | 2007/11/26 12:04