もう1つニュース。Google がオープンソースの科学データ、それもテラバイトの規模のものを公開するそうです:
■ Google to Host Terabytes of Open-Source Science Data (Wired.com)
公開されるのは Google Research の中において。現在計画中のものの中には、120TB におよぶハッブル望遠鏡のデータなどが含まれているそうです。まだ実際に発表される内容・形態を見てみなければ何とも言えませんが、例えばゴールドコープ・チャレンジ(※ Goldcorp 社が開催したイベントで、同社が所有する鉱山に関する情報をすべてオープンにし、そのデータを基に鉱山のどこに金が眠っているか当てた人に賞金を与えた。詳しくは『ウィキノミクス』をどうぞ)のように、プロ科学者(?)が気づかなかったような斬新な発想でデータを解析するアマチュア科学者が登場するかもしれません。そうなれば、専門家でも見つけられなかった「金鉱」が見つかり、科学の発展に寄与するということも考えられるのではないでしょうか。
先日、『その数学が戦略を決める』という本を読んだのですが、医療現場において Google (による知識の収集)が重要な存在になりつつある姿が描かれていました。現時点でも学術論文などが検索できますから、科学の世界でも Google が活躍しているのでしょうが、今回のデータ公開でますます Google が欠かせない存在になっていくのかもしれませんね。Google 医師ならぬ、Google 科学者とでも呼ぶべき存在が登場したりして。
某国の政府が「情報大航海(「大公開」と同じ発音なのが皮肉なところ)」というプロジェクトを推進していますが、壮大な理想に向かって突き進むよりは、こうした地味だけど重要な一歩を進めていく方が大切のような気がします。ソフトパワーの発想ではないですが、世界中に価値のあるものを提供することで、逆に世界中から人望や人材を集めることが可能になると思うんだけど。まぁソフトパワーの本家であった米国もあんな状態で、むしろ Google のような企業がその担い手になっているわけですから、国に期待するのは間違いなのかもしれませんが。
こんにちは。初めまして。いつも興味深いエントリをありがとうございます。ところでこちら読みました?どうぞー。
http://www.nytimes.com/2008/01/19/opinion/lweb21polar.html?ex=1201669200&en=92e95f8343c8a39e&ei=5070
投稿情報: yohmei | 2008/01/22 22:10
yohmei さん、コメントありがとうございます。
本当に、Polar Bear は絶滅の危機にあるんですよね……タイトルに使わせてもらっているだけに、胸が痛みます。
投稿情報: アキヒト | 2008/01/24 15:46