週末なので軽いネタで。「寂しい」と感じることは誰にもあると思いますが、人は寂しさを感じれば感じるほど、動物やモノが意志を持っているように感じる(物体を擬人化してしまう)傾向にあるそうです:
■ Does Your Pet Seem Almost Human? It May Be A Clever Response To Loneliness (ScienceDaily)
シカゴ大学の研究チームによる実験結果。寂しさを感じると「モノが意志を持っているように形容してしまう」傾向が強くなり、また神や天使などの超常現象を信じるようになるとのこと。また映画『キャスト アウェイ』で、無人島に漂流した主人公が、とても意志があるように見えない「あるもの」を人間に見立てて精神バランスを保つというシーンが出てきますが、それは科学的に正しい話だと解説されています。まあ、一人暮らしで飼い始めたネコを溺愛してしまうなどという話はよくありますし(<-経験者)、経験的にも納得できる話ですよね。
面白いのは、この傾向が「寂しさ」という感情に特有の現象だという点。例えば恐怖を感じても、擬人化傾向というのは強くならないのだそうです。この点について、
Loneliness is both painful to experience and potentially deadly. "It's actually a greater risk for morbidity or mortality than cigarette smoking is. Being lonely is a bad thing for you," he said
寂しさは嫌な経験であるだけでなく、命を危険にさらす恐れもある。「実際、それはタバコを吸うよりも死亡率を高めるリスクがあります。孤独になるのは悪いことなんです」と彼(※Nicholas Epley、シカゴ大学経営大学院の助教授)は述べた。
という解説があるのですが、それだけ人間にとって他人とのコミュニケーションというのは重要なものなのですね。そしてそれができない時のための対抗手段として、「擬人化」というシステムが脳の中に備えられているのかもしれません。
そういえば先日、ワイドショーでプリモプエルがまだまだ人気という報道を見たのですが、「あんな人形を『私の孫です』なんて言うなんて信じられない」と考えるのではなく、「あんな人形でも生きているように感じられるような精神状態なのだな」と考える方が正しいわけですね。いや、ネコだけは例外で、擬人化は空想ではなくて本当に意志をもって人間とコミュニケーションできるんですけど。
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