なんだか最近、はてブで英語の学習法関連の記事を見かけるので、便乗エントリを。
まず始めに断っておきますが、英語の学習法というものはそれこそ星の数ほどあると思います。会話に重点を置くもの、文法に重点を置くもの。スキルよりもモチベーションを重視するもの、密度よりも継続を重視するもの、などなど。それぞれに一長一短があって、「これは正しい、これは間違っている」などと決めつけることはできません。ただし社会人の場合、全てを試してみる時間はありませんから、自分の目的(何をするために英語を学ぶのか)に合わせて効率的な勉強法を選ぶ必要はあると思います。
で、僕には「英文が読めるようになりたい」という方に絶対オススメできる一冊があります。それは『英文解釈教室』という参考書。なーんだ、と思われる方も多いと思われるかもしれませんが(それほど有名な本なので)、ご存知でない方はぜひ試してみて下さい。
僕は高校時代に通った学習塾で、この本を紹介されました。非常に難解な本で、当時は「なんでこんな難しい文法書をやらなくちゃいけないんだ!?」と反発したものですが、いまでは当時の先生に感謝しています。冗談抜きで、この本で勉強することがなければ、留学させてもらえるほどの英語力はついていなかったでしょう。
目次を見ていただければ分かると思いますが、「主語と動詞」「that節」「関係詞」などなど、『英文解釈教室』はハードコアな文法解説が満載です。英語学習法界(?)のハードロック、いやデスメタル。もしくはビリーズ・ブートキャンプ。「習うより慣れろ!」「英語は1日○○分だけ!」などといった読者に優しい(いや、有効ではないと言うつもりはないのですが)学習法と真っ向から対立する1冊です。しかし僕個人の経験から言えば、この1冊に集中した方が、結果的には他の参考書で余分な時間を費やすよりも効率的だと思います。「良薬は口に苦し」という言葉は、まさにこの参考書のためにあるような言葉。
「文法を気にするよりも、とにかく英語を浴びて子供のように身につければ良い」という意見も確かに一理あります。しかし私たちはもはや幼児ではないのですから、トライ&エラーで身につける方法は非常に非効率なはずです。教えてもらえば済む知識まで、わざわざ自分で体験から導き出す必要はないでしょう。またエッセンスとなるような必要不可欠なルール――『英文解釈教室』に集められているのはまさにそんな知識ですが――を頭に入れておけば、体験から得られる経験値は何倍にも上がります。本書の始めに出てくる「主語と動詞」を読むだけでも、英文を読む際の視点がガラリと変わると思いますよ。
ということで、なんだか宣伝臭くなってしまいましたが、「人生を変えてくれた」などと言い切れる本はあまりないので。「どうも長文が読めなくて」という方は、だまされたと思ってぜひ試してみて下さい。しかし前述の通り易しくはないので、トライする場合には覚悟を決めてから、という点だけはお断りしておきます。
「英文解釈教室」なつかすぃ…
年代がバレちゃいますがw、伊藤先生に教わってました。
英語、身についていませんが…
投稿情報: p-article | 2008/02/04 15:13
はじめまして、
いつもRSSにてROMさせて頂いてます
同書、持ってます^^
最初から最後まで読み通すのは
なかなか難しく、時間が掛かりますが、
読み終わる頃には、
英文法というものの構造がどのようにできているか、
というのが身に染みてわかるようになります
ですが、同書の後半部分は
受験にはあまり出てこない知識が
多く、少しロスがあるかもしれません
とはいえ、最初の3分の1をやるだけでも、
英語が得意だと思っていた自分には目から鱗モノの理解が得られました
投稿情報: 閃光 | 2008/02/04 18:14
みなさま、コメントありがとうございます。
> p-article さん
おぉ、伊藤先生に教わられていたのですか!羨ましいー。
いや、そのうち高性能翻訳機が当り前になって、英語云々は問題じゃなくなる日が来ますよ……
> 閃光さん
仰る通り、読破+理解するのはかなり時間がかかる本ですよね。僕も高校生の時は、何度泣かされたことか……しかしそれだけに、「何かが身についた」と自信を持って言えるのはこの本だけのように感じています。
> 英語が得意だと思っていた自分には目から鱗モノの理解が得られました
ここも同感です!何となくで理解していたことを「こうだったのか!」と悟ることができた瞬間を、今でも覚えています。とはいえ最近は英語の勉強してないので、久しぶりに読み返してみないと……。
投稿情報: アキヒト | 2008/02/05 13:32
英文解釈教室。
や、懐かしい名前を見ました。
私も英語教師に薦められたことがあります。もうずいぶんと昔の話になりますが。
あれを理解できる人間は相当な兵でしょうね。私はあれで英語の自信を叩き折られました。解説をいくら読んでも読んでも理解出来ない。哲学書の類かとも思いました。まあ実際伊藤先生は英語以外でも随分な博識でいらっしゃったようですが。
私の場合、とてもあれを人に薦めることは出来ない。まして前途洋洋たる中学生には。
私はあの本以降英語を理解出来なくなりました。文章を読むのも、話すことも聞くことも苦痛になりました。あれを読ませるにはまずあの本を薦めるより、あの本を読むにふさわしい能力、磐石な基礎を固める方法を提供すべきでしょう。
投稿情報: nem | 2008/03/11 22:13
nem さん、コメントありがとうございます。
確かに『英文解釈教室』は難しくて、僕も相当(根拠のない)自信を叩き折られた一人です。ただ、だからこそ適当に理解していた文法を正しく理解し直し、基礎を固めるのに役立ったと感じています。なので個人的には、むしろ前途洋洋たる中学生が読んで役立つ本だと思うのですが、いかがでしょうか?
ただ本文でも書いている通り、「習うより慣れろ!」「英語は1日○○分だけ!」などといった学習法に慣れ過ぎてしまっていると、この本のストロングスタイルに拒否反応が出てしまうかもしれません。その意味で挑戦するには覚悟が必要であることを、繰り返し述べておきたいと思います。
投稿情報: アキヒト | 2008/03/12 10:21