政治の世界を見ていると、過激な意見を主張する政治家がなぜか支持を集めるということがよくあります。それは主張の内容云々よりも、その政治家に対する「信頼度」が上がることに起因するとのこと:
■ Extreme Appeal: Voters Trust Extreme Positions More Than Moderate Ones, Study Finds (ScienceDaily)
Economic Journal に掲載された論文について。通常、投票者は自分の考えに近い候補者に投票するのだから、中道路線の候補者の方がより多くの支持を得られると考えられています。しかし研究者らによると、将来が不確かな状況では、投票者は候補者の信頼性によっても誰に投票するのかを決めるようになるとのこと。結果、意見が二分されるような問題で自分の態度をあらわにしない候補者は、信頼を失って票も失うと。
"A rational electorate is reluctant to support someone who does not exhibit commitment to some ideology," Carrillo says. "Voters rightly perceive that someone without ideological commitment cannot have developed a valuable political program. They reason that, 'If you tell me what I want to hear, it probably means that you don't have any ideas of your own to share.'"
「理性的な有権者は、何らかのイデオロギーにコミットしようとしない候補者を支持することを躊躇するものです」とCarrillo 氏(※研究者の一員で、南カリフォルニア大学のエコノミスト)は述べた。「イデオロギーを表明しない人物は有益な政治的計画をつくることはできない、と投票者は見なします。彼らは『あなたが私の聞きたいと思ったことを話すのは、あなた自身が共有したいと思っている考えが何もないからだ』と考えるのです。」
確かに重要な問題について玉虫色の回答を行うような政治家は、信頼できないか実行力がないかのどちらかに感じることがあります。将来が不安定な時代には、(普通はそれ言ったら支持失うだろと思うような)過激な意見でも恐れずに表明する人物の方が、決断力や実行力という面が評価されて支持を得るのでしょうね。
最近、ネット上でも過激な意見の人物・ブログ等が人気を博すことがありますが、上記のような思考回路が働くことも一因なのかなぁ。仕事で何か提案する場合でも、なるべく角が立たないように……と丸く収めるよりはスパッと切ってしまった方が、「こいつなら信頼できそう」「とにかく何かやってくれそう」と感じさせることができるのかもね。
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