ユビキタスだの、モバイルコンピューティングだの言われ初めて久しいですが、未だに情報端末というと「ラップトップ」「ケータイ/スマートフォン」「カーナビ」など、コンピューターのイメージに近いものが多いですよね。しかし皆さんが想像されているように、これからはもっとありふれたモノの姿をした端末が出てくるはず。ということで、こんなアイデアはいかがでしょうか:
■ Trod the Untrodden Path! GeoCane and Upward! (Yanko Design)
ドイツ人のデザイナー、Felix Hardmood Beck さんが開発した、"GeoCane"というGPS付きの杖。ヨーロッパでは古くから「巡礼」という習慣があり、実は現在でも巡礼に出る人は多いのですが、その際に使うことを想定した杖だそうです。実際に使っている映像を、Felix さん自身のホームページで見ることができます:
■ GeoCane / Diplomprojekt, UdK / 2007 (Felix Hardmood Beck)
残念ながら全てドイツ語で、何を言っているか分からないのですが……しかし目的地(巡礼する聖地)の方に杖を向けると、音が鳴って知らせてくれるシーンが出てきますね。このように方向を示す機能の他に、杖の先端(地面に触れる部分)がボタンのようになっていて、接地する度にその地点の位置情報を取得・無線で情報を送信するという仕組みもあるとのこと。まさしく以下のイメージ画像のように、杖をつくとその「電子的足跡」が残る感覚ですね。
もちろん「この程度」の機能であれば、現在の携帯電話で既に実現されています。しかし杖という形を取ることで、より身近に、より簡単に利用することができるようになるのではないでしょうか。
昨日傍聴した総務省の「ICTビジョン懇談会」では、「今後ICTの利活用を促進するにはどうすれば良いか」がテーマとして話し合われていくそうです。もちろん政府関係者やIT業界の有力者を集めて討議するのも重要ですが、こういったデザイナーの方々にアイデアを出してもらうというのも、別の側面から有力なアプローチができそうですよね。
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