前回のエントリの続き。
Jason Calacanis の「ワーカホリックでない奴をクビにしろ!」発言から始まった「ベンチャー(※)が成功するためには何が必要か?」という議論。その後さまざまな波紋を呼び、著名なブロガーの方々が関連記事を書かれています。余談ですが、「TechMeme で激論が起きてるけど……」という書き出しで始まる記事もあり、TechMeme が議論の連鎖反応を起こすのに一役買っていたことがうかがえます。結果として著名人による「ベンチャー論」が期せずして読めることになったわけですから、個人的に TechMeme 様々といった気分です(日本でもブログレーダーが同様の触媒役になることを期待)。
で、A VC の Fred Wilson 氏がまとめ記事的なエントリを書かれているので、そちらをご紹介しておきたいと思います:
■ Startup Advice Weekend (A VC)
まさしく一連の議論は「週末ベンチャー講座」といったところでしたが、主要な記事が以下のようにまとめられています:
- Jason Calacanis が「お金を節約しろ」と言い、
- 私は賛成して、いくつかカギとなる部分を強調した。
- Mike Arrington も同意し、適切な人材を雇うことが最重要だと述べた(日本語訳)。
- Scoble も賛成している。
- Dave Winer は全員に反対し、素晴らしい製品を作ることが何より重要だと述べた。
- しかし一番は Tony Wright だ。だって、彼はベンチャーが成功する道は一つではないと語ったのだから。
Fred 自身は最後の Tony Wright の記事、"Every Piece of Startup Advice is a Lie (including mine)"(全てのベンチャー向けアドバイスはウソである――僕のも含めて)が正しいと思う、とのこと。個々の会社で状況は違うのだから、一般論で語ることはできない、と。
それじゃ他人のアドバイスを聞いてもムダなのか?という点については、Fred はこう述べています:
So does that mean that all this advice is useless? No way. It's helpful for sure, but you have to soak it all in and then make your way with what feels right for you.
全てのアドバイスは無意味なのか?そんなことはない。確実に役立つものけど、いちど全てのアドバイスを頭に入れ、適切だと思うものを選んで役立てなければならないのだ。
まったくその通りで、自分にとって役立つ知識はあるもの――ただしそれがどれかは分からず、「これは知識ですよ」とラベルが貼られているものの中から自ら探し出さなければならないという訳ですね。その意味では、今回の論争は様々な意見を聞くことができたという点で、非常に有意義なものだったと思います。
※英語では一連の記事において、"startup"、すなわち「起業したばかりの会社」という単語が使われています。しかし僕は分かりやすくするため、日本で一般的な「ベンチャー」という言葉で訳しました。この点については、ゼロベースさんの記事のように、「ベンチャーとは何か?」という定義をきちんとしておく必要があると思います。
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