イスラエルによるガザ空爆が続いています。イスラエル側、パレスチナ(ハマス)側とも、自分たちの行為の正当性をアピールしているわけですが、イスラエル側はソーシャルメディアを活用するという手段に出ているようです:
■ イスラエル軍、ガザ空爆の模様をユーチューブで公開 (AFPBB News)
■ Gaza: secondary war being fought on the internet (CNN.com)
イスラエル国防軍(IDF)が YouTube 上に専用チャンネル"IDF Spokesperson's Unit"を立ち上げて戦場の生の様子を中継するとともに、ニューヨークにあるイスラエル領事館が Twitter アカウント"israelconsulate"を立ち上げ、ユーザーからの質問に答える「バーチャル記者会見」を始めたというニュース。現時点で YouTube チャンネル再生回数は55万回以上、Twitter 更新回数は117回で followers が3,000人超という状況ですから、注目を集めるという点では成功しつつあるようです。また"quasi-official"(半公式)ということですから正式に認められたものではないようですが、SNS の Facebook 上で親イスラエル/親ハマスのコミュニティが登場し、激しい論争が繰り広げられているとのこと。
イスラエルのこの動きには、2006年のレバノン侵攻の際に国際世論の反発を退けられなかったこと、また従来型の国際マスメディアに対する不信があるとのことで、政府関係者がこんなコメントを出しています:
Explaining the focus on information, Israeli military spokeswoman Major Avital Leibovich said: "The blogosphere and new media are another war zone and we have to be relevant there."
イスラエル軍の広報担当、Avital Leibovich 少佐は情報発信を重視する姿勢についてこう説明している。「ブロゴスフィアとニューメディアはもう1つの戦場であり、我々はそこで重要な存在にならなければならない。」
考えてみれば、以前から国家自らがマスメディアを通じて自国をアピールする、ということは行われていました。戦場の様子が中継される、という点ではイラク戦争が思い出されますし、国家がPRコンサルタントを雇って影響力のある国(米国とか)で世論に訴える、などという話はよく聞きます。最近のソーシャルメディアの影響力拡大を受けて、その動きがネット上にも進出してきたということなのでしょう。特に戦争や戦争に近い状態にある国では、国家としてソーシャルメディア戦略を練るのが当たり前のこととなっていく……のかもしれません。
翻って日本にも、いくつかの国との間に領土問題を抱えています。良し悪しは別にして、ソーシャルメディア上で日本としての主張を行っていくということが始まるかも?少なくともニコニコ動画に登場して喜んでいるうちは、イスラエルのレベルにまで追いつくのはほど遠いですが……。
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