既に2つ記事を書いているのでご存知だと思いますが、カシオさんから「EXILIM EX-Z400」というデジカメをお借りして、モニターをさせていただいています。今日でモニター期間が終了ということで、まとめなどを少し。
【これまでの記事】
■ CASIO"EXILIM EX-Z400"モニター中
■ CASIO"EXILIM EX-Z400"でダイナミックフォトを作成してみた。
誰もがみな、というわけでは当然ありませんが、いまはデジカメで画像・動画を撮ったら印刷して終わり、という人ばかりではないでしょう。画像・動画共有サービスにアップロードして、皆に見てもらうという楽しみ方をしている人も多いはずです。従って消費者にアピールするために、「写真・動画を撮ること」だけでなく、「その後に皆で楽しむこと」を視野に入れたデジカメをつくろうという動きが当然出てくるでしょうし、現に実際の商品として具体化され始めています。
例えば「YouTube にアップロードしやすいファイル形式で録画するビデオカメラ」が、撮影機能面での優位性がたいして無かったにも関わらず、米国で大ヒットしたそうです。もちろん画質は大切な要素ですが、ある一定のクオリティにさえ到達すれば、そこから先は「撮ったあと」の楽しみへと関心が移るのでしょう。この分野はまだまだ未開拓ですし、さらに「アップロードして共有する」だけが画像・動画の楽しみ方ではないのですから、これから各社が様々なアイデアを出してくるのではないでしょうか。
で、今回の EXILIM EX-Z400 も、そんな「撮ったあと」に配慮しているデジカメだと感じました(念のために言っておくと、画質やシャッタースピード、手ぶれ補正など、「写真を撮ること」についても大満足な一台でしたよ)。例えば前述の「YouTube にアップロードしやすい形式で動画を撮影」という機能についても、EX-Z400 ではちゃんと用意されています。そして何といっても、静止画に動画を合成できる「ダイナミックフォト」という機能。まだまだオモチャ並みと言われてしまうかもしれませんが、撮った画像でみんなで楽しめるという点で、十分アピールできる機能だと思います。
上は実験で作ってみたダイナミックフォト(をYouTubeにアップしたもの)。前回も解説しましたが、動画の中から動くものだけを自動で切り出し、キャラクター化して静止画の上に貼り付けることができます。決して簡単な作業ではないのですが、やってみると意外に楽しく、また家族がいると「あーでもない、こーでもない」といろいろ挑戦すること自体が面白かったりして。また上のように、作成した画像をウェブやネット経由で共有することを可能にする(一般的なファイル形式の動画データに変換する)ウェブサービス"Dynamic Studio"が用意されていて、EX-Z400 という端末を超えて楽しみを広げてゆくことが可能になっています(ちなみにダイナミックフォト専用の投稿サイト「ダイナミックフォト広場」も開設されています)。
もちろんダイナミックフォト自体に改善の余地があると思いますし、関連するウェブサービスについても使いづらい部分が若干目に付きました(特に Dynamic Studio で動画ファイルを作成する際には専門的な項目が多く、初心者には取っつきにくいのではないかと思います)。「楽しさを広げる」という面においては、もっと使いやすい形式にしたり、他サービスと連携することが要求されるでしょう。ただ今回のモニターで、カシオというメーカーが、ウェブサービスまでちゃんと含めて全体の「楽しさ」をデザインしようとしているという印象を受けました。EX-Z400 はデジカメというガジェットとして評価されるのではなく、その周囲にあるウェブサービスまで総合して評価されるべきだと感じました。
しかしコンパクトデジカメの最新モデルを手にしたのは、かれこれ3年ぶりぐらいになるのですが、いろいろと進化・洗練されていて驚きました。これが2~3万円程度で手に入るのですから、時代は進んでいるんだなぁと変な感慨に浸ってみたり。
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