自分向けメモ的に。日本オラクル玉川さんのブログの中で、イチロー選手の言葉が紹介されていました:
■ コントロールできない要素を排除する、という考えを学ぶ (ニュータイプになろう!)
重要なのは、自分ではどうしようもないことに不平不満を言うことではなく、いま自分ができることに意識を注ぎ、常にメンタルをコントロールしていくということです。
で、ちょうど『瀬名秀明ロボット学論集』の中に、これと似たようなアドバイスが登場していたのを思い出しました:
そして、最後に紹介したいのが、マイケル・J・フォックスの自伝『ラッキーマン』なのです。
彼は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(ロバート・ゼメキス監督、1985)という映画で有名になりましたが、体がうまく動かなくなるパーキンソン病にかかってしまいました。そのとき、彼はどうしたでしょうか。毎日、祈りの言葉を欠かさずに唱えたそうです。
神様、自分では変えられないことを受け入れる平静さと、自分には変えられることは変える勇気と、そしてその違いがわかるだけの知恵をお与え下さい。これはカート・ヴォネガットの『スローターハウス5』(1969)にも登場する有名な言葉で、「The Serenity Prayer(安らかなる祈り)」と呼ばれているものだそうです。ぼくはクリスチャンではありませんが、この言葉がとても好きです。
ちなみにこの"The Serenity Prayer"ですが、原文だとこんな感じ:
God grant me the serenity to accept the things I cannot change;
courage to change the things I can;
and wisdom to know the difference.
調べてみると、日本語では「ニーバーの祈り」と称されることが多いようですね。ググってみると、瀬名さんの訳以外にもいろいろな訳が登場します(もちろん微妙なニュアンスが異なるだけで、大差はありません)。
自分ではどうにもならないことに心を乱されるのではなく、自分ができることに専念する。簡単なようで難しい態度です。特に最後の「変えられるものと変えられないものが分かる知恵」という部分、一見当たり前のようですが、これがないと「なぜ自分はこんなに努力しているのに事態を改善できないんだろう」と悩み続けることになるでしょう。その意味では、変えられるものと変えられないものをキチンと認識するというのが最初の一歩なのかもしれません。
そしてそれは、逆説的なようですが、変えられないものも変えていく原動力になっていくのではないでしょうか。変えられないものを静かな心で受け入れ、正しく理解することで、いつの日かそれを変える術を考え出すことができる。個人的には、そんな隠れた意味も含まれているアドバイスだと信じています。
シロクマさん、TBありがとうございます。
God grant me the serenity to accept the things I cannot change;
courage to change the things I can;
and wisdom to know the difference.
なんという生命力にあふれた言葉でしょう。心が揺さぶられました。
投稿情報: NewTama | 2009/04/03 13:25