いつものようにファーストフード店に入るあなた。ストローを袋から取り出し、シェイクを吸い上げようとするのだが……口の中には何も入ってこない。実はこれ、ポルトガルの保健省が実施したキャンペーンとのこと:
■ Ministry of Health: Clogged straw (Ad of Da Month.com)
真っ赤なストローにはこのように書かれています:
High blood cholesterol will do the same to your arteries. Watch what you eat.
高コレステロールはあなたの動脈に同じことをもたらします。食べ物に気をつけて。
つまりストローは血管に見立てられていて、コレステロールで詰まって血液が通れない……という状態を実感してもらうと。こんなキャンペーンに進んで協力する飲食店があるとは思えないのですが(笑)、とにかくインパクトは大きいですよね。
昨日もご紹介しましたが、ちょうど今週の『週刊 東洋経済』(2009年6/13号)の特集は「広告」。100年に1度の大不況を受けて、広告業界の主要プレーヤー達がどのように生き残りを図っているのかを追ったものですが、そのなかにこんな一節があります:
「待っていてはダメ。こちらから仕掛けろ」――。かつてない逆境の中、電通は今、変身を遂げようと必死だ。そこで成果を上げつつあるのが、冒頭のフード・アクションを含む公共政策キャンペーン事業だ。
生物多様性(環境省)、オリンピックの東京招致活動(東京都)……。電通は次々と公共政策キャンペーンを手掛けつつある。昨年7月には、専門部局のソーシャル・プランニング局を創設。上條典夫ソーシャル・プランニング局長は「今人員は47人いるが、観光や新エネルギーなど国の政策に関連して引き合いがすごい。人が足りない状態だ」とうれしい悲鳴を上げる。
企業から広告市場へと流れるお金が減るという事態が続いたら、日本でも冒頭のような、手の込んだ公共キャンペーンが展開されるようになるのでしょうか。「メタボ」という言葉1つで新しいマーケットが立ち上がったように、どんな分野でもPRが重要ということには変わりありませんね。
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