Twitter を因数分解して、構成要素に成功の秘密を探るというエントリは既に数多く存在していますが。今朝の Techmeme に載っていた次のエントリもそんな中の1つ。ちょっと面白い内容なのでご紹介します:
■ How Twitter works in theory (Epeus' epigone)
"in theory"というだけあって理論が先行気味で、理解不能な部分もあるのですが、要素だけ箇条書きにしてみるとこんな感じ:
- Twitter の本質は「フロー」。(一部のクライアントは例外だけど)メールのように未読数が表示されず、未読と既読を視覚的に分かるようにもしないため、「全部読まなきゃ」という精神的負担が少ない。
- メッセージの横にアイコンが表示されることで、情報に信頼性が付与される。
- つぶやきと言いつつ、他人との交流が中心。
- フォロー/被フォローの関係を非対称にする(ある人物を一方的にフォローすることができる)ようにすることで、「他者との交流感」を維持したままで急速に拡大することができた。
- 「誰をフォローするか」はユーザー毎に違うため、自分のタイムラインと他人のタイムラインはまったく異なるのだが、そこにはそれぞれのユーザーが「パブリック」を見いだしている。そのため人々はより丁寧な振る舞いをするようになる。
- Twitter 上には「スモールワールド・ネットワーク」が存在している。
うーん、僕の頭では正直半分も理解できていないと思うのですが、後半の「疑似パブリック空間」という概念は非常に面白いなぁと感じました。Twitter 上を流れている全てのメッセージが真の意味での「(Twitter の)パブリック」になるはずですが、掲示板のように全てのメッセージが目に入ってくることはなく、また全てのメッセージを受け入れなくてもそこに参加することができると。フォローする人を選択しているのだから「他人のタイムラインと自分のタイムラインは異なる」というのは当たり前の話で、ユーザーはそれを意識できるはずですが、それでありながら人々は自分のタイムラインに「パブリック」を感ぜずにはいられない――それが Twitter の居心地の良さの源泉になっているのかもしれません。
(ちょっと脱線すると、ReTweet は各自の疑似パブリック空間に横串を刺す行為、「疑似」を「本当のパブリック空間」に近づけようとする行為なのかなと思ってみたり。僕はカツマカズヨをフォローしていないのですが、「フォローしなければその人の声は聞こえてこない」などということは全くなく、RT経由で彼女の発言が逐一伝わってきます。その際、自分のタイムラインから違和感を感じることがあるのですが、その理由は「本当のパブリック空間」を感じてしまうからなのかも。)
「Twitter などつまらない」「いや面白い」「Twitter はこう使え」「いやこっちの使い方の方が正しい」……。こんな千差万別の Twitter 論が存在しているというのも、各ユーザーがそれぞれのパブリックを自分のタイムラインに見いだしているからでしょう。もちろんそういった意見が参考にならないということはありませんが、結局は自分のタイムラインの中で効果的な使い方や楽しみ方を見付けていくこと。それが Twitter を続けていく秘訣ではないでしょうか。
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