今夜のスマートグリッド勉強会にも関係があることなので、メモ的にアップしてしまいましょう。英国のスマートグリッド関連政策について、同国政府から新たな発表があったようです:
■ Britain to shift to smart grid, meter systems (Reuters)
DECC(Department of Energy and Climate Chance、エネルギー・気候変動省)が新しいディスカッションペーパー"Smarter grids: the opportunity"を発表したことを受けての記事のようです。内容を簡単に要約しておくと:
- 英国内にある4,700万台の電力メーターを2020年までにスマートメーターに置き換えた場合、86億ポンド(約1.26兆円)のコストがかかるとDECCは試算。
(ちなみに英国は既に、2020年までに国内の全世帯にスマートメーターを設置することを宣言しています。) - また詳細な「スマートグリッド・ロードマップ」を2010年初頭に明らかにすると発表。
- エネルギー省大臣のHunt卿が、「スマートグリッド関連ビジネスはこれから5年間で270億ポンド(約3.95兆円)の規模に成長する」と述べる。
- スマートメーター技術研究に対しては600万ポンド(約8.7億円)を出資。
- さらにOFGEM(英国のエネルギー市場規制当局)が大規模なスマートグリッド実証実験に対し、2010年から5年間で5億ポンド(約731.8億円)を出資するとのこと。
- 一方、保守党からは「2020年を目標にしてたんじゃ遅すぎる!世界から取り残されるぞ!」という批判が。
- 電力会社や市民団体はおおむね歓迎。電力会社の Scottish Power は今回のDECCの発表を踏まえ、スマートメーター実証実験計画を発表、今後2年間で10万台のスマートメーターを追加設置するとのこと。
こんな感じ。まだ基となったディスカッションペーパー自体をちゃんと読んでいないのですが、他にも「スマートメーター設置には86億ポンドかかるけど、今後20年間で146億ポンド(約2.14兆円)分のメリットがあるよー」「3,000万ポンド(約43.9億円)かけてEV用の充電施設を整備するよー」なんてことが書いてあります。興味のある方は目を通しておくと良いかも。
ここから先は余談ですが……
■ 事業仕分け結果の詳報(25日) (47NEWS)
【低炭素社会実現プロジェクト】情報技術(IT)を活用した次世代送電網「スマートグリッド」の国内実証実験を行う。要求額は16億円。仕分け作業では、海外での実証実験なども含めると予算が120億円に膨らむことが判明。「事業目的が明確でないのに巨額過ぎる」との批判が相次ぎ、「来年度の予算計上見送り」と判定された。
いえいえ、本当に余談ですってば。
コメント