何でも脳にチップを埋め込んで記憶を複製することに成功したらしいですが、こちらもある意味で義体というか、攻殻の世界に通じるものがある話かもしれません(脳チップの例は義体化ではなく電脳化ですが):
■ SHORT++
まずは何も言わずにこちらのビデオをどうぞ:
SHORT++ from Adi Marom on Vimeo.
手元にあるiPhoneで操作することで、リアルタイムに身長を変えられるというロボットシューズ"SHORT++"です。これだけでも十分に利用シーンが分かったと思いますが、念のためイメージ映像もどうぞ:
Envisioning SHORT++ from Adi Marom on Vimeo.
何のことはない、高さを遠隔調整できるシークレットシューズじゃん!で片付けてしまうことなかれ。公式ページにはこんな解説が掲載されています:
SHORT++ explores the possibility of making height an interactive variable
that can be modified in real-time and how it would reshape interaction between people.SHORT++はリアルタイムに高さを調整するのを可能にすることで、「背の高さ」をインタラクティブな変数に変えることの可能性と、それによって人々の間のインタラクションがどのように変化するのかを探ります。
ということで、実は深遠な哲学を探究するためのプロジェクトなのでした……などと話をややこしくするつもりはありませんが、確かに視点が数センチ違うだけで見える世界が変わってきますし、目線の上下が人間関係の上下を左右するという場合もあります。通常であれば固定されている、あるいはリアルタイムには変化させることのできない「背の高さ」という要素を自由に変えられるとしたら、人間/外界、あるいは人間/人間のインタラクションに何が起きるのか。ちょっと体験してみたい気がします(重そうだけど)。
SHORT++をデザインされたのは、ニューヨーク在住のプロダクトデザイナーAdi Maromさん。2008年の米大統領選挙の際、候補者の指人形を作成できる"fold US Candidate"というサイトが登場しましたが、実は同サイトを立ち上げたのも彼女です。他にも数々のプロジェクトを立ち上げているので、興味のある方は公式サイトを確認してみて下さい(実は東京大学でデザイン工学を学ばれていたみたい)。
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