Swayloなるサービスが物議を醸しているとかで、AdAgeにレポートが掲載されています:
■ Facebook App Shares 'Friend' Data With Marketers (AdAge Digital)
Kloutというソーシャルメディア上の影響力測定サービスがありますが、基本的にこのSwayloがやっていることもそれと一緒。フェイスブックのIDでログインすると、自分がリーチしている人々の数や、影響力など4分野・80項目の要素を分析して教えてくれます。中には「ある話題について自分がどれだけ早くキャッチしているか」といった項目があるなど、なかなか面白そう。それでなくても「あなたの影響力は!?」というエゴ系の興味を満たしてくれるアプリには、つい興味を引かれてしまうという方も多いでしょう。
がしかし。ログインの際にFacebookから警告されるメッセージの中に、「このアプリが受け取る情報」として次の項目が挙げられています(以下、実際に表示された内容のコピペ):
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メールアドレス
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あなたのプロフィール情報: アクティビティ、生年月日、学歴、グループ、出身地、趣味・関心、好きなもの、位置情報、政治観と宗教・信仰、購読している人、購読されている人、職歴
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あなたの記事: イベント、写真、動画
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友達のプロフィール情報: アクティビティ、生年月日、学歴、グループ、出身地、趣味・関心、好きなもの、位置情報、政治観と宗教・信仰、購読している人、購読されている人、職歴
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あなたと共有された記事 イベント、写真、動画
確かに自分の行動を測定してくれるサービスだから仕方ないとはいえ、ちょっと抜かれる情報が多いような……しかも友達のプロフィール情報まで?実はこのデータの扱いというのが問題を指摘されている部分で、Swayloは収集したデータを基に「あるブランドを『いいね!』しているのはどんなユーザーなのか」といったテーマに関するレポート(ただしユーザー名は匿名にして)を作成、それを企業向けに販売するビジネスを行っているのだとか。実際にこのレポートに関する営業を受けた企業のコメントとして、「Facebook自体が提供している『インサイト』ページ上の情報よりもずっと詳細だった」との言葉が引用されています。
で直接的にはこの行為の何が問題にされているのかというと:
Swaylo's business model is built around monetizing user data, the sale of which is banned per Facebook's policies governing app developers. (In part, it states: "You will not directly or indirectly transfer any data you receive from us. … By any data we mean all data obtained through use of the Facebook Platform (API, Social Plugins, etc.), including aggregate, anonymous or derivative data.")
Swayloのビジネスモデルは、ユーザーデータをマネタイズするという行為に依拠しているが、ユーザーデータの販売はアプリ開発業者に対するFacebookのプラットフォーム・ポリシーで禁じられている。(この中に「Facebookから得られたデータを直接的、もしくは間接的に第三者に移転しないこと。ここで言うデータとは、全てのFacebookプラットフォーム(APIやソーシャルプラグイン等)で得られたあらゆるデータ(集約されたものや匿名のもの、また派生的なものを含む)のことを指す」という箇所がある。)
ということで、要は「それ俺たちの飯のタネだから勝手に売るなよ!」ということでしょうか。ただ利用者としては、それ以上に何の警告もなくこうした情報が第三者に売られているという状況に対して、漠然とした不安を感じます。
まぁ個人情報をベースにした商売があるなんて信じられない!と言うほどナイーブではないのですが(原理主義的に言えばGoogleのサービスだって認められないものになるし)、Facebook自体だけでなく、こうした周辺企業もFacebook上の個人情報で商売しようとしていることについては覚えておく必要があると思います。特に最近、過度に情報開示を求めるFacebookアプリ(特に「あなたの○○診断!」といった診断系のアプリ)がありますが、何の気無しに参加するとどこでその情報が利用されているか分かりませんよ。
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