人の行動すべてをログ化して残してしまおうという「ライフログ」。それを携帯電話を使って実現しようという試みが、KDDI から始まりました:
■ 携帯、生活まるごと記録 -- 何買った どこ行った -- KDDI ブログ向けサービス (日経産業新聞 2006年7月5日 第1面)
WEB上で記事を見つけることができなかったのですが、紙面によれば、
通話記録やインターネットの閲覧記録、携帯電話による商品の購買記録などを、全地球測位システム(GPS)の位置情報と関連づけて収集し、いつどこで何をしていたか分かるようにする。個人の生活行動を整理する手段として利用する。
(中略)
カメラで撮影した画像や読み取ったバーコード、インターネットの利用履歴、電子決済での商品購入、赤外線通信の利用履歴などを時間や場所とともに入手。KDDI はこれを個人情報として自由に管理できる支援システムを開発した。
とのこと。また収集したデータを、ブログを記述する際の参考データとして使える仕組みも提供するようです。
ちなみにライフログをめぐる動きについては、以下の記事が参考になります:
■ 人生のやり直しが可能に? ライフログが紡ぐ未来 (ITmedia)
KDDI の取り組みは非常に面白いのですが、ITmedia の記事でも指摘されているように、まずはプライバシーの問題が避けて通れないでしょうね。もちろん日経の記事によれば、「本人以外が閲覧できないようにするセキュリティー対策も検討する」とのことですが、心理的な抵抗感というものもあるでしょう。その辺とどう折り合いをつけていくのかが気になります。
しかし昔から、誰に強制されるわけでもないのに「日記」という記録を残す人が数多く存在していることを考えると、自分の生活記録が簡単に残せる仕組みというのは一定の魅力を持つのではないでしょうか。ライフログを生理的に拒否する人がいる一方で、積極的に KDDI が開発したような仕組みを利用したいと思う人が生まれるのではないかと思います。その意味で、まずブロガーにアピールできるような切り口で始めようとしているのは賢いやり方かもしれませんね。
またすべてのログを残すのではなく、限られた部分から始められるようになっていると面白いかもしれません。例えばカメラの撮影履歴にGPSデータが結びついていれば、携帯電話で撮影した写真のサムネイルを Google Maps/Earth にプロットし、「地球アルバム」みたいなインターフェースが簡単に実現できるかも。ついでに撮影時間でスライドショーできるようになっていたら、Google Earth の中をあちこちジャンプしながら、写真で思い出を振り返る・・・なんてロマンチック(?)なことが可能になりそうです。
その意味では、ライフログは「どう残すか」というよりも、「残したデータをどう面白い体験に結びつけるか」の方が重要なのかもしれません。KDDI のサービスをユニークに使いこなす人々が現れることを期待したいと思います。
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