最近アマゾンの Kindle が盛り上がったり、日本からは撤退したソニーが米国で新たな端末を発表したりと話題になっている電子ブックリーダーですが、米フォレスターリサーチからこんな調査結果が出ているとのこと:
■ Electronic reader study raises serious economic questions (Geeks Are Sexy)
フォレスターが4,706名を対象に行ったアンケート結果について。質問は「どのくらいの金額だったら電子ブックリーダーを買おうと思いますか?」というもので、結果が7つのレンジと4つのタイプに分けられてグラフ化されています:
ということで、各タイプを通じて明らかに多いのは「98ドル以下」のレンジ。回答者全員で見ると、実に60%以上がこの回答を選んだということになっています。本を読む習慣があり、世帯年収が7万5,000ドルを超えている人々であっても半数以上が「98ドル以下」を選んでいますから、電子ブックリーダー単独で売るというのは相当厳しい世界のようですね。実際、Geeks Are Sexy の記事でも指摘されている通り、アマゾンの Kindle を買っているのは年配の方が多いという結果が各種調査で出ている状況なので、今回のアンケート結果とも一致しているでしょう(ちなみに Kindle は299ドル、大型版の Kindle DX が489ドル)。
となると思い切ってソニーのように端末価格を下げる(新端末は小型版が199ドル、大型版が299ドル)か、「電子ブックリーダー」という端末単独で売るのをあきらめる(Kindle のように iPhone アプリ版などでも展開する)か、何らかのタイアップを行って消費者が実際に払う価格を下げる(「新聞の電子版を購読してくれるなら端末はプレゼントする」など。これも Kindle で実現されているケース)という3つの選択肢が考えられるわけですが……
個人的にはそのどれでもなく、高くていいからそれに見合う機能やサービスをつけてくれればなーと思います。Kindle のように通信機能を持ってて、いつでも好きなときに、簡単にアマゾンからコンテンツを購入できて、しかも読んだところを覚えていてくれて他の端末(PCなど)で開いたときにも同じ箇所から再開できて(これも Kidle で実現されている機能)とかね。ともかく「単にデジタルコンテンツが楽しめる端末が増えただけ」ではなく、これならいま4~5万払っても惜しくないと思えるような画期的なサービスを含めて欲しいと思うのですが。ともかく日本でも Kindle が展開されるようになって欲しいところです。
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