このブログで本の紹介をしたことはなかったのですが、面白い本だったのでちょっと紹介を(決してネタ不足ではありませんよ):
『SEのための見える化!の技術』という本。上のリンクはアフィリエイトで作ってあるので、こちらで購入すると僕のAmazonギフト券となります。あしからず。
文章のスタイルはあくまで「軽い」のですが、本質を鋭く突いた文章が随所に見られます。特にWeb 2.0系に興味のある方は、「地図は何をどう見える化しているか?」という章が参考になるのではないでしょうか。「地図はあらゆる情報のインデックスになりうる」という見出しだけ見たら、「これはGoogleのことを話しているのか?」と勘違いしそうです。(ちなみにはてなの伊藤さん--今度は間違いじゃありませんよ--も「はてなが挑む会社の見える化」という記事に登場されています。)
例えば記事中で、静岡県の地図を「山を上、海を下」にして作った話が出てきます。普通の地図は当然、北が上にあるのが普通ですよね。なぜこんな記事を作ったのかというと、静岡県出身者にリサーチした結果、地元の人々は地形を海と山の関係から捉えている、ということが分かったためだそうです(海岸線周辺に人口が集中しているので、そこから山側を眺めるという発想が根付いているのだそう)。そういった「メンタルモデル」を明らかにすることで、より使いやすい地図を完成させることができたのだとか。これは検索エンジンを考える時などにも、応用できそうな話です。
ついでに「見える化」の本家本元はこちら。こちらは社内ブログ/SNSに通じるアイデアが得られそう(しかし読めば読むほど「模造紙」が最強のコミュニケーションツールに思えてきてしまうのが、「見える化」系の本に共通する難点なのですが):
あらゆる業務が「見える化」というキーワードでつながりそうな今日この頃。しかし仕事の終わりはまだ見えず。
追記>
iUGでご一緒させていただいている大木さんも、「見える化」について記事を書かれていました:
PM magazine(「走れ!プロジェクトマネージャー!」)
プロジェクト管理はまさに「見える化」が欠かせない分野ですね。僕もSEの現場に身を置いていたことがあるので、「見えない」現場の怖さというものを身に染みて感じています。しかし手法だけしっかりしても上手く行くとは限らないのがプロジェクト、最後は大木さんの言うように、プロジェクトマネージャーが自ら「見に行く」気持ちがなければいけないのかなと思います。
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